東京都知事選 進化するネット選挙 政策もプライベートもアップ 街頭告知にとどまらず
東京都知事選(7日投開票)では、各陣営とも交流サイト(SNS)やユーチューブなどを中心としたインターネットによる発信に力を入れている。これまではネットを通じた街頭活動の告知がメインとなってきたが、今回の都知事選では、さまざまな角度から有権者の関心を呼ぼうとする取り組みが目立つ。公約発表やイメージ映像に加え、プライベートな様子をさらけ出すものまで出ている。 【写真7枚】著名人が街頭演説・SNSで支援呼びかけ 小泉今日子、古舘伊知郎、藤井厳喜氏、デヴィ夫人も ■AI、ライブ 無所属現職の小池百合子氏(71)が自身のSNSで使い分けるのはリアルと人工知能(AI)。自身が出演して話しかける「リアルゆりこ」の動画では、追加公約などを発表。自身の音声を学習したCG(コンピューターグラフィックス)が登場する「AIゆりこ」では、これまでの政策を振り返る。 無所属新人の前参院議員、蓮舫氏(56)は「東京には夢がある」と呼びかける動画をSNSのトップに固定。支援者が作成・投稿した動画や画像などを積極的に引用して、支持の広がりを目指す。リアルタイムで視聴者とやり取りができるライブ配信にも取り組んでいる。 ■大病や愛犬 ともすれば、〝強い女性〟代表と目される両氏。両陣営ともそんな世評を気にしているのか、いずれも〝柔らかさ〟を演出する発信に力を入れている。 小池氏は、過去に患った大病や母の介護経験を振り返ったものから、自宅にカメラを招き入れるなどを日常生活を明かす発信も多い。小池氏陣営によると「若手スタッフがいろいろな面を引き出す質問を作り、本人も楽しんでいる」という。 蓮舫氏のSNSでは、その日の予定を終えて帰宅し、愛犬に抱き着いて癒やされる姿や、自身の子育てを振り返る動画などがアップされている。蓮舫氏のスタッフによると「強いイメージを持たれがちなので、違う側面も知ってもらいたい」との考えがあるという。 ■拡散呼びかけ 無所属新人で前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)は、街頭演説に集まった聴衆に動画などを撮影してもらい、ネット上で拡散するよう呼びかけている。市長時代からSNSや動画を積極的に使って知名度を上げてきただけに、本人、陣営ともにネットの活用方法は心得ているもようだ。「石丸伸二」で検索すると、公式以外にも多くの動画が上がっていることが分かる。 無所属新人で元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は、昨今の日本の状況を憂う様子などを「としおのぼやき」としてシリーズ化し、短い動画に編集して配信している。
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