【攻撃的3バックに挑む森保ジャパン。2シャドウの組み合わせと可能性(1)】ミャンマー戦で試した2列目の3パターン。再確認された鎌田の重要性と、シリア戦のキーマンは旗手か
6日の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選・ミャンマー戦(ヤンゴン)を5-0で圧勝した日本代表。翌7日にはバンコク経由で帰国し、さらに8日には広島へ移動。11日のシリア戦に向けて調整を行うという強行スケジュールを強いられている。 ■【画像】「1枚目、西部警察みたいw」と話題の、サッカー日本代表12選手が飛行機の前で撮影した「迫力満点の集合写真とサングラス姿の“ボス”」■ 「結構、ハードな日程だったので、みんな疲れを感じていると思いますけど、また広島に来てしっかり準備して、次に備えたいというところです」とミャンマー戦でキャプテンマークを巻いた谷口彰悟(アルラーヤン)は気丈に前を向いていた。 ご存じの通り、今回の森保ジャパンは攻撃的3バックにトライしている。前回はボランチの守田英正(スポルティング・リスボン)がアンカー気味に位置し、旗手怜央(セルティック)が前に上がって左シャドウ・鎌田大地(ラツィオ)と臨機応変に位置を変えながらプレー。右シャドウ・堂安律(フライブルク)は1トップ・小川航基(NECナイメンヘン)に近い位置でよりゴールを意識した動きを見せていた。 後半からは代表2戦目の川村拓夢(広島)と初キャップの鈴木唯人(ブレンビー)が入ったことから流動的なポジショニングが減少。鎌田・鈴木の組み合わせになった2列目は、鎌田が前半同様に左寄りで中村敬斗(スタッド・ランス)といい距離感で彼の推進力を引き出し、鈴木の方はフィニッシャーという色合いが強かった。
■再認識した鎌田の重要性
そして後半17分に鎌田が下がると、今度は中村がインサイドに移動して鈴木と2列目を形成。これは全く初めてのコンビで、中村は「途中で2シャドウに入ったので役割が整理できなくて、ボールを持った時に詰まってしまう場面が何回かあった」と反省していた。 それでも代表1年半の実績を生かしてタメを作ったり、守田と息の合ったプレーで攻撃チャンスを作るなど、代表経験の少ない面々よりは余裕あるパフォーマンスを披露。最終的には得意な形からダメ押しとなる5点目も奪っていた。 この3つの2列目トリオを見る限りだと、やはりキーマンは鎌田と言えるのではないか。ボランチとインサイドハーフ(IH)、トップ下と中盤より前をマルチにこなせる鎌田は幅広い役割をこなせるし、ボールを持って試合を落ち着かせられる。中村の先制点を演出したスルーパス、堂安の2点目の起点となった反転シュートを見ても分かるように、ゴールに直結した仕事もできる。1~2月のアジアカップ(カタール)に彼がいなかった分、森保監督もその重要性を再認識したはずだ。 今回は時間が短かった鈴木も鎌田と一緒にやることでより創造性やフィニッシュの鋭さが発揮できるだろう。久保建英(レアル・ソシエダ)や堂安、南野拓実(モナコ)との連携も第1次森保ジャパンからの積み重ねがある分、計算も立ちやすい。やはり鎌田という男は最終予選、2026年W杯を戦う上で必要不可欠だと言っていい。
■キーマンは旗手か
ただ、次のシリア戦で鎌田は不出場が濃厚。彼がいない状態で再び攻撃的3バックに挑み、いいコンビネーションや連動性ある攻撃を組み立てなければいけない。右もも裏の違和感を抱える久保にムリをさせられないため、2列目の先発は南野と旗手ではないか。 となれば、万能性の高い旗手が鎌田のような役割を担うことになる。彼が中盤を幅広くてつなぎ役になり、南野やボランチの田中碧(デュッセルドルフ)を生かし、自らも得点に絡むことができれば、日本の攻撃は活性化する。つまり、次のキーマンは旗手ということになるだろう。 (取材・文/元川悦子) (後編へ続く)
サッカー批評編集部
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