下げない価格、交流の絆 凍霜害リンゴに「特別基準」 グリーンコープが農家支援
西日本の生協でつくるグリーンコープは、凍霜害に見舞われた長野県のリンゴ農家への支援を始めた。同県のリンゴ農家が九州に出向くなど長年の交流を背景に、苦境にある産地を支えようと、被害を受けたリンゴを対象に「特別出荷基準」を設け、正規品と同価格で仕入れて販売する。 【画像】グリーンコープ利用者とリンゴ農家による交流会 長野県では4月以降の断続的な低温で、果樹を中心に凍霜害が発生。被害額は計23億3200万円に上る。 同県のリンゴ農家の収入減の回避を目的に、グリーンコープは、取引のあるJAながの飯綱りんご部会など四つの生産者グループを対象に「特別出荷基準」を設定。傷や色、サイズが従来の規格から外れていても、果肉に問題がなければ正規品と同様に扱う。 JAながの飯綱りんご部会とグリーンコープは30年ほど前から交流を続ける。生産者が九州に出向き、消費者にその年の生育状況などを説明する「りんご博士養成講座」などを開いている。 講座に参加してきた同部会の増田壽一さん(79)は「毎年、凍霜害で発生するさびや変形などについても話をしてきた」と振り返る。「支援は本当にありがたい。活力になっている」と前を向く。 グリーンコープは、利用者を長野県内の産地に案内し、農家と交流する場を定期的に設けており「長年、交流を続けてきた。困っている生産者の力になりたい」(組織拡大執行部)と話す。2023年度に扱う同県産リンゴのうち、4割ほどを特別出荷基準で仕入れる見込み。
日本農業新聞