【シンガポール】日本政府、CO2回収貯留技術で協力
日本とシンガポールの両政府は、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)技術で協力する。ベストプラクティス(優良事例)や専門知識の共有を促し、アジアでの技術導入を加速させるのが狙いだ。 インドネシアのジャカルタで21日に開催された脱炭素の連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」の閣僚会合に合わせて、斎藤健経済産業相とシンガポールのタン・シーレン第2貿易産業相兼人材開発相がCO2回収・貯留技術の活用に関する協力覚書に調印した。 AZECは岸田文雄首相が提唱し、ミャンマーを除く東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日本、オーストラリアの計11カ国で構成されている。昨年12月に東京で初の首脳会議を開き、閣僚会合は今回が2回目となる。 CO2の回収・貯留技術は、エネルギーや化学、電力など温室効果ガスの排出削減が困難な分野での脱炭素化を進める上で重要な役割を担っている。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の評価報告書によると、同技術により大気中からCO2を除去して地中に貯留することで、地球温暖化による気温上昇を1.5~2.0度以内に抑えることが可能だ。 タン第2貿易産業相兼人材開発相は、「覚書に基づき、日本とCO2の回収・貯留技術に関する共通基準の開発・採用を加速させる。同技術の研究や導入に関して日本から学ぶことは多い」と述べた。