LA山火事、推計被害額9兆円 米史上最悪の可能性 気象会社試算
米西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で続く大規模な山火事で、ロイター通信によると、9日時点で少なくとも10人が死亡し、建物約1万棟が被災した。米気象情報サービス「アキュウェザー」は、推計被害額について520億~570億ドル(約8・2兆~9兆円)に達するとの初期試算を公表。被害額で米史上有数の自然災害となりそうで、山火事としては最悪の被害額となる可能性がある。 【写真まとめ】山火事の中ほえる犬、燃えた街路樹や車 アキュウェザーによると、被害を受けた地域には不動産価値の高い住宅や企業が多く、一部地域の住宅の中央値は200万ドル(約3億1600万円)を超える。煙による健康被害や観光業への影響も懸念されている。映画製作の中心地ハリウッド近くの高級住宅街でも被害が広がっている。 地元の有力紙ロサンゼルス・タイムズによると、今回の山火事で被災した住宅の多くは保険に加入していないという。米国では近年、ハリケーンや山火事など自然災害が多発し、保険会社は災害リスクの大きな地域で住宅保険の提供をやめる動きが出ている。 米海洋大気局(NOAA)などによれば、これまで米国で推定被害額が最も大きかった自然災害は2005年のハリケーン「カトリーナ」で2000億ドル。山火事では18年にカリフォルニア州で発生した災害の被害額が300億ドルで最悪だった。【ニューヨーク八田浩輔】