YOASOBIや山下達郎などのMVを手掛けたアーティストninaが初個展を開催 初挑戦で感じた手応え
WWD:油絵に関しては?
nina:油絵の方は、当初プリントの上からアクリル絵の具などでペイントするという話もあったのですが、「身体性」というテーマを考えていった結果、今回はよりフィジカルに近い油絵具でやることにしました。
今までアクリル絵の具では描いたことがあったんですが、油絵具は触ること自体初めてで。でもすごく楽しかったですね。アクリルは速乾性が高いので、計画したものをそのままキャンバスに描いていく感覚でデザインに近いんですが、油絵具はドローイングの感覚で絵を描いていけるので、よりライブ感がありました。
油絵作品に関しては、キービジュアルのデジタルの作品と呼応していて、この赤い絵はキービジュアルの女の子を油絵で描いています。人間なのか人間じゃないのか分からない人体に囲まれた女の子。両隣の2作品は、普段は見えない内臓の部分だったり、膿みたいなものがどろどろとあふれ出してしまっている女の子をテーマに描いています。
WWD:こうした女の子を描く時は、イメージだけで描くんですか。それとも何か参考にしているものがあったりするんですか。
nina:完全にイメージだけで描いています。
WWD:ちなみに女性を描く時と男性を描く時の違いは?
nina:女性は自分自身の心情を投影させながら描いていますが、一方で男性を描く時はより俯瞰的に描いています。個人的には、女性の方が、自分の感情がちゃんと乗るのでより自然に描けますね。
WWD:ドローイングは新作ですか?
nina:古い作品だと2年前ぐらいに描いたものもあります。日々、日記的に絵は描いているので、その中からピックアップしたのと、プラスで新作も半分以上はあります。あと、ギャラリーの外から見えるところにアニメーション作品も展示しているので、ぜひそちらも観ていってほしいです。
クライアントワークと自身の作品
WWD:アニメーションもやられて、イラストや漫画も描いていますが、制作に関しては、ご自身の中で考え方を分けていたりしますか?