NISA成長投資枠で狙いたい「高配当利回りの割安株」の条件…経済ジャーナリストの和島英樹氏に聞く
和島氏がいま注目する「割安に放置されている」銘柄とは…
7月上旬、日経平均株価は、終値で最高値を約4ヵ月ぶりに更新。しかも、今回は、東証株価指数(TOPIX)が約34年半ぶりに史上最高値を更新した。日本の株式市場には、どんな変化が訪れているのか。そして、今後はどんな銘柄が有望なのか。経済ジャーナリストの和島英樹氏に聞いた。 『S&P500』『オルカン』絶好調は「円安」のおかげ…「円高」になったらどのくらい下がるのか? ◆◇和島英樹 経済ジャーナリスト【PROFILE】わじま・ひでき 日本勧業角丸証券(現みずほ証券)、株式新聞社(現ウエルスアドバイザー株式会社)記者を経て、’00年にラジオNIKKEI入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員を歴任。’20年6月に独立。現在、ラジオNIKKEI『マーケット・プレス』、東京MXテレビ『東京マーケットワイド』、日経CNBC『朝エクスプレス』などにレギュラー出演中。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。 ◆「失われた30年」の清算……「TOPIXの最高値更新」を重要視するべき理由 TOPIX(トピックス)が1989年12月の史上最高値を更新した。この意味するところは大きい。 日経平均は、東京証券取引所(東証)のプライム市場の225銘柄で構成される平均株価であり、一部の銘柄の影響を受けやすい。実際、今年2月の最高値更新は、株価水準の高い「値がさ株」や半導体関連といった一部の銘柄が牽引役となって実現したものだ。 それに対して、TOPIXは、東証に上場している約2100銘柄の時価総額で構成されており、日本の株式市場全体の動きを表している。つまり、TOPIXの最高値更新をもって、日本がバブル崩壊後の「失われた30年」の清算を終えた、といえるだろう。 経済的には、30年にわたって続いたデフレから脱却し、あたり前に価格が上昇していく適切なインフレへの転換期にある。企業収益も全体的にみれば最高益水準にあり、春闘で賃上げが実現する好循環も起きている。日本経済は、ようやく正常化し、新たな成長に向かって歩み出したことになる。 ◆「今の株価はバブルじゃないのか?」……日銀の迷走はマスコミ報道に問題あり 株価指数が最高値を更新すると、決まって出てくるのが「今の株価はバブルじゃないのか?」という意見だが、まったく気にする必要はない。前述したように、企業収益は好調で、株価の裏付けはしっかりとしている。日本の株価はスタートラインに立ったばかりで、バブルとはほど遠い。日本の株価は1989年の水準に戻っただけだが、その間、米国株はS&P500で約16倍、NYダウは約27倍にもなっている。