田牧そら×新井美羽×白山乃愛、『スカイキャッスル』には若手注目俳優がズラリ!
2人の挑発的な視線が印象的だった『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)第4話。 まず1人目は、超エリート一家・冴島家崩壊の真相を小説にしようとする南沢泉(木村文乃)だ。彼女のことを目の敵にする浅見紗英(松下奈緒)たちから食事会に誘い出され総スカンを食らうも、反対されればされるほど泉の眼光は鋭く光り瞳には力が宿る。 【写真】田牧そらの演技力の高さが伝わる強い眼差し そんな泉の反骨精神や不屈の精神は木村が主演を務めた『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(TBS系)でのシングルマザー役を思い起こさせる。誰に対しても壁を作らず態度を変えない快活な部分も泉と近しいところがある。同じくシングルマザー役を務めた『#家族募集します』(TBS系)では世間が求める母親像に縛られなかなか周囲に弱音を吐けない不器用なキャラクターを好演していた。 紗英や夏目美咲(高橋メアリージュン)とは適切な距離感を心がけている二階堂杏子(比嘉愛未)が、冴島家の謎に迫るための秘密に近づけるかもしれないと受験コーディネーター・九条彩香(小雪)のことを泉に紹介するが、この出会いが彼女にとって吉と出るのか凶と出るのか。 そしてもう1人は、第4話のキーパーソンとも言える山田未久(田牧そら)。母親・希美 (映美くらら)の入院費を稼ぐためにクラスメイトの課題代行をやっていたのをネタに紗英から生徒会長立候補を辞退するよう促され、それを飲む。 しかし間も無く最愛の母親が亡くなり、さらに自分の父親が紗英の夫で瑠璃(新井美羽)の父親である英世(田辺誠一)だと知ってしまう。母親の携帯から英世に連絡してみるとあからさまに邪険に扱う彼の姿を目の当たりにし、未久はつくづく理不尽を感じたことだろう。 こんなに近くで“生まれながらに恵まれた者とそうでない者”の明暗が分かれ、しかも奪われる側はずっとずっと奪われ続ける。たった一人の家族を亡くし、母親のために誓った医学部合格のための生徒会長立候補も取下げられ、もう失うもののない未久ほど怖い存在はいないだろう。 さらに瑠璃からすれば自身が好意を寄せる南沢青葉(坂元愛登)の家で未久が居候することになるのを阻止したい一心で、紗英からすれば真珠(白山乃愛)に勉強を教えてもらったお礼と何より瑠璃の最大のライバルを手元に置くことで勉強法や手の内が把握できるという九条からの入れ知恵もあって、未久は見事浅見家に潜り込むことに成功する。 わがまま放題育ったのだろう瑠璃の太々しさを見事体現している新井美羽は『明日、私は誰かのカノジョ』シーズン2(MBS/TBS)では対局の役どころを担い、推しの歌い手のスキャンダルに一喜一憂し暴走する純粋な高校生・心音役を好演していた。瑠璃の妹役を熱演している白山乃愛は『Dr.チョコレート』(日本テレビ系)では10歳の天才外科医役を務め、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)でも松岡茉優扮する掴みどころのないみちるのしっかり者の娘役を演じてのけていた。本作でも浅見家に唯一残る良心を真珠が担っているように感じられる。 そして未久役を務める田牧そらは『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系)で木村と共演しており、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)ではクラスの問題児集団の中で上手く立ち振る舞う影の支配者のような役どころを体現していた。未久も持たざる者だけでは終わらず復讐心を燃やしているが、守るべきものや目的のためには手段を選ばない強引さが垣間見えている。 さて九条が未久の父親の正体に気づくのも時間の問題に思えるが、彼女は浅見家でどんな復讐を企て実行するのだろうか。ますます激しくなりそうな泉VS紗英の構図からも目が離せない。
佳香(かこ)