“エレベーター”の歴史に終止符を。J1残留を期す伊藤翔が描く未来図「横浜FCはこういうチームだよねっていうのを確立していければ」
「本当に、自分にとっても大きな一年になると思う」
昇格と降格を繰り返す横浜FC。いわゆる“エレベータークラブ”とも言われるが、2023年の冬に伊藤翔は「そうやってクラブは大きくなると思う」と自身の考えを述べ、こう続けた。 【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集! 「今、横浜FCがちょうど狭間みたいな感じだし、このクラブのために力を使うのは、自分のサッカー人生的にありなのかなって」 昨季はJ1で最下位に終わり、J2で迎えた2024年シーズン。横浜FCはJ1自動昇格圏の2位でフィニッシュ。伊藤は33試合に出場し、カプリーニ、小川慶治朗と並び、チームトップの7得点を記録した。 1年でのJ1復帰に大きく貢献。ただ、“狭間”のクラブに自らの力を還元するのであれば、昇格で終わりではない。むしろ期待したいのは、来シーズンでの活躍だ。 伊藤は「来年、このチームにいるのであれば、J1残留という目標があるので、そこは達成したい」と意気込む。思い描くのは、それだけじゃない。 「このチームのカラーをもっとより色濃くじゃないけど、横浜FCはこういうチームだよねっていうのを、Jリーグの中で確立していければ。あそこはこういうイメージがあるな、と。それはけっこう大事だと思う」 J1残留はもちろん、ピッチ上のサッカーでも揺るぎないアイデンティティを示す。それがクラブの未来につながると伊藤は考えているのだろう。 36歳のアタッカーは、何人かの同世代が今季限りで現役を退く姿を見て、「僕も残り少ないキャリアなので」と冗談交じりに話すが、来季を見据えて「本当に、自分にとっても大きな一年になると思う」と気を引き締める。 「このオフが大事ですよね。結局、次のシーズンはもうオフから始まっているんで。僕たちは早くオフに入れた。この期間を有意義に使わないといけない」 横浜FCの背番号15は、すでにJ1残留に向けて走り始めている。 取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)