元保育士、無罪主張 1歳園児暴行死 横浜地裁
神奈川県平塚市の保育園で2017年、園児の女児=当時(1)=を暴行し死亡させたとして、傷害致死罪に問われた元保育士嘉悦彩子被告(48)の裁判員裁判の初公判が6日、横浜地裁(奥山豪裁判長)であり、同被告は「被害児にけがをさせていない」と述べ、起訴内容を否認した。 弁護側は病死の可能性があるとして無罪を主張した。 冒頭陳述で検察側は、女児の死因は後頭部に強い力を加えられたことによる外傷性くも膜下出血だったと指摘。容体が急変した際にそばにいたのは同被告だけで、被告は事件後、「頭蓋骨骨折、重症化」と検索しており、死亡は被告の暴行が原因だと主張した。 これに対し弁護側は、女児は生まれつき体が弱く、事件の5日前から体調不良だったと主張。園児のくも膜下出血は容体急変の12時間以上前に起きており、死因には当たらないと述べた。 起訴状によると、嘉悦被告は17年4月、勤務する保育園で、女児の後頭部を硬いものに複数回にわたってたたき付けて死亡させたとされる。 県警によると、嘉悦被告は当時、女児の担当保育士だった。同被告は関与を否定していたが、県警は21年、防犯カメラの映像や医師の証言などを根拠に逮捕した。