「ブラックボックス」を正すと語っていた小池知事…プロジェクションマッピングの開示は「ほぼ黒塗り」
ところで、「開示請求」ができるのは基本的に行政機関や独立行政法人であり、五輪関係をはじめとして、対象が「実行委員会」となると、その効力が及ばず、情報が闇の中になりがちだ。 そんな中、今回情報が開示されたのは、実はイレギュラーな経緯によるものと言う。 「東京プロジェクションマッピング実行委員会は、実は東京都産業労働局観光部の中に設置されているんですが、表向きは別なんです。 そのため、最初に観光部に資料を開示請求したときには、金額や契約関係は実行委員会のほうにあるので開示請求が及ばないと1回突き返されているんですね。 そこで、金額はわからなくとも、何か観光部に関わる資料はないかと探している中で、ホームページに載っていた業者への委託指示書の提出先が観光部となっているのを見つけ、それを観光部に開示請求しました。 そこから、東京都への開示請求を取り下げ、実行委員会宛てに再度開示請求をかけるという流れによって、初めて開示された情報なんです」 ◆東京都からの回答は… 金額の詳細はわからず、肝心なところは「非公開」だらけ。それでもわかった入札に関する違和感について、FRIDAYデジタルでは「Tokyo Night&Light事務局」及び東京都産業局観光部に以下の質問をぶつけた。 (1)入札の議事録の有無 (2)実行委員会委員長が向井一弘氏から代わった人事異動の時期 (3)「建造物の壁面等を活用したプロジェクションマッピング等の実施に係る事業報告書・収支決算書」「建造物の壁面等を活用したプロジェクションマッピング等の実施に係る負担金精算書」の令和5年度版の公開の有無 しかし、回答があったのは(2)の「現在の実行委員長は令和5年11月に就任」のみで、他2つの質問には全く触れず、リリースのようなもの(画像参照)が「回答」として送られてきただけだった。 入札の議事録の有無すら隠す理由は何なのか。前年度は公開されていた収支決算書負担金精算書を公開しないなどということはあり得るのか。また、実行委員長が年度途中の11月に交代した理由は……。 多くの批判にさらされつつ、回答は避け続け、不透明なままに東京プロジェクションマッピングは今日も続いている。 取材・文:田幸和歌子
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