米国ビッグスリーの一角「クライスラー」がリーマンショックの煽りで08年に経営破綻【今日は何の日?4月30日】
その後ついにリーマンショックの煽りで経営破綻
ダイムラーとの合併後も、クライスラーの北米での不振は解消できず、ダイムラーとのコラボ効果が出せないまま2007年に合併を解消。米投資ファンドのサーベランス・キャピタルマネジメントが株式の8割を買収することで継続するが、2008年のリーマンショックの追い打ちでついに経営破綻に陥ったのだ。 その後、2014年にフィアットの傘下に収まり、経営統合しFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)となり、2021年にFCAはPSAと合併しステランティスとなり、その中でクライスラーは再建を進めている。 また、クライスラーの経営破綻の1ヵ月後の6月1日にはGMも同破産法の申請を行い、経営破綻した。GMは経営破綻の末、一時的に国有化されたが、2013年に国有化を解消。その後も不安定な状態が続いたが、近年の米国市場の好況とメアリー・バーラCEOの「選択と集中」路線が奏功し、2019年には黒字を達成。再生の道筋が見えてきたようだ。 米国ビッグスリーは、1970年代のオイルショックや排ガス規制から始まった世界的な激変の中でも、伝統的な大型車の製造に傾注し、燃費の良い小型車や高性能車の開発を怠ってきた。このツケが回ってきて、クライスラーとGMは経営破綻に追い込まれたのだ。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純