「長生でもできるんだぞ!」 OB監督率いる公立進学校が見せた私学撃破の快進撃
真価が問われる夏へ
中山主将が話すように、秋季大会は県大会2回戦まで勝ち上がったものの、東海大市原望洋との試合では4対12と大量失点。地区予選でも八千代松陰に0対9で破れており、敗者復活戦から県大会の切符を掴んでいる。 2度の強豪私学の前に敗れた秋について、185センチの大型左腕・田村健太は、「自分が打たれてしまったら、チームが負ける」と自分でプレッシャーをかけてしまったことで、本来の投球ができなかったと反省。一方で、「敗者復活戦からはリラックスして本来の投球ができた」と緊張にも慣れて、自分の実力を発揮できたという。
そして冬場は個々のレベルアップに時間を注いできたが、特に「打ち勝つチームではないので、守備からリズムをつかんで勝つ」と中山主将を中心にチームを作ってきたこともあって、タイム計測をしてスピードと正確さを磨くなど工夫を凝らしてきた。 まさに鳰川監督が意識してきた練習方法でレベルアップをしてきた長生は、春以降、「取るべきアウトをきちんと取れるようになりました」と中山主将のなかでは手ごたえがあった。 マウンドにいる田村も、「タッチしやすいところに投げるなど、些細な送球ミスが減った」と小さなところも含めて、守備の精度が向上。「打ち取る投球をする自分にとって、とても投げやすかった」と安心して打者と勝負出来たようだ。 鳰川監督も田村の姿を見ていて、「秋の時点でおそらく自分の中では出来るみたいな意識に変わってきたけど、春以降は試合を作れるようになった」と変化を徐々に感じ取っていた。 そして春、予選を突破した長生は県大会初戦のあずさ第一戦では、延長13回の熱戦を制して、初戦突破した。 「相手に負けず、自分たちも良い守備をして、冬場の成果が出ました」(中山主将) 続く西武台千葉にも勝利し、「自分らしく抑えられた」と田村の好投もあって東海大浦安に2対1で勝利してベスト8入り。私学勢に競り勝ってBシードを獲得した。