【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 コースプレビュー】“クライマーズ・ブエルタ”健在 平坦ステージはわずか1つ、個人タイムトライアル2ステージが組み込まれ総合力が試される3週間に
1回目の休息日に空路スペイン北西部へ。いっそう山がちなルートを走ることになって、1級山岳マンサネダの頂上にフィニッシュする第12ステージ、フィニッシュまでの5.6kmにわたって15%前後の急坂をよじ登る第13ステージ、この2日間でおおよそのマイヨ・ロホ有資格者が見えてきそうだ。1級山岳2つ、3級山岳1つ、そして最後に今大会最初の超級山岳クイトゥ・ネグルにトライする第15ステージで、早くもジャージ争いの形勢が見えてくるかもしれない。クイトゥ・ネグルは登坂距離18.9km、平均勾配7.4%、フィニッシュ手前2kmで最大勾配24%を数える。もちろん大会最終・第3週もハードだ。アストゥリアス州の険しい道へ足を踏み入れ、第16ステージでは超級ラゴス・デ・コバドンガの山頂へ。頂上へ近づくと現れる断続的なアップダウンは今年も何らかの展開をもたらすか。第19ステージでは最大勾配16%の1級山岳モンカルヴィッロ峠を目指し、カテゴリー山岳が7つも詰め込まれる第20ステージが山岳最終決戦。最後に上る1級ピコン・ブランコは中腹とフィニッシュ手前で17~18%の急勾配が待ち受ける。
そして、締めくくりはマドリードでの22km個人タイムトライアル。マイヨ・ロホ争いが僅差ならばTT能力が最終的な差となるだろうし、おおよそ勝負が決まっているならウイニングライドに。今回はフィナーレがスプリントではないあたりも押さえておきたい。3週間の総距離は3265km。最長距離は第14ステージの200.5km。それでありながら総獲得標高が59279mと、山岳比重が高かったツール・ド・フランスの52230mを上回っているあたりで、このブエルタの過酷さが見えてくる。ちなみに、ステージ獲得標高が最も高いのが第20ステージの5064mとなっている。
福光 俊介
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