ニューヨークの特別な季節を劇場で味わえる 新演出の『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』
2016年から、劇場で楽しむクリスマスとして上演。今や12月の風物詩として愛される『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』が今年新演出となる。新たに演出を手掛けるのは金谷かほり。有名テーマパークのショーで手腕を発揮してきた金谷が、劇場でどんなレビューショーを繰り広げるのか、構想を語った。 【全ての写真】新たに演出を手掛ける金谷かほり 「『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』を拝見して、ぜひやらせていただきたいと純粋に思いました。私は長いことテーマパークで大きなクリスマスショーを作ってきて、自分にとって特別なものなんです。日本のクリスマスはイベントとして捉えられがちですが、ショーでは本来あるべきテーマ、愛する人を思う気持ちをたっぷり表現できます。その愛の向かう先は家族や友達、恋人など身の回りの大切な人。クリスマスの音楽は素晴らしいものが多く、歌と踊りだけで心をときめかせることができる。いろんな世代のお客様に楽しんでいただきたいと思っています」と金谷は意気込む。また新演出では、自然な流れの中でいつしかクリスマスの世界に没入する、そんな展開を考えているという。 「セットを手掛けるのは石原敬さん。幕開きは雪に囲まれた、神秘的なファンタジーの世界。そこから冬のニューヨークに行く形で、観客の皆さんをニューヨークのクリスマスにお連れします。セントラルパークや煌めくショーウィンドウ、ロックフェラーセンターのアイスリンク。そしてサンタクロースのトイファクトリーへと、途切れることなくシーンが展開します。ニューヨークのクリスマスは、クラシカルなものと現代的なものが共存して賑わいを作っています。その空気感をこのレビューショーでお伝えできたら。息の揃った華やかなラインダンスやスペクタクルなスケートのパフォーマンス、ポップで楽しいダンスナンバーや荘厳なバラードなど、バラエティ豊かにお届けします。最後には感謝の気持ちを込めて〈Thankful〉というバラードを入れようかと考えています」 キャストはアメリカのシンガーやダンサーたちをオーディションで選抜。盛り上げ上手なキャストたちは、誰も置いてきぼりにせず、非日常に誘ってくれる。そして非日常は劇場の入り口に足を踏み入れた瞬間から始まるようだ。 「ロビーや客席でショーが始まるまでの時間、ずっとクリスマスの雰囲気に浸れるプランを練っています。また今回、白いリスのキャラクターが生まれました。フワフワした白いリスがロビーにいる予定ですので、皆さん、一緒に写真を撮ったりして、可愛がってあげてください!」 日本ではまだ貴重なレビューショー。老若男女問わず、とびきりのクリスマスを体験できるに違いない。 「1年で一番みんなの心がウキウキする季節。家族、カップル、友達同士と自分の愛する人と一緒にご覧になっていただきたいですし、一人でももちろん楽しめます。昨年観劇した時は三世代でご覧になっている方もいらっしゃって嬉しかったです。家族全員で観られる演目は案外少ないもの。私も一生懸命に取り組みますので、ぜひ劇場に足をお運びいただきたいです」 取材・文:三浦真紀 撮影:ヒダキトモコ <公演情報> ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2024 公演期間:2024年12月14日(土)~25日(水) 会場:東急シアターオーブ