『葬送のフリーレン』や『SPY×FAMILY』 種﨑敦美 会社員から声優へ「気が済むまでやるべき」
■フリーレンを演じるのは「ずっと難しい」
週刊少年サンデーで連載中の『葬送のフリーレン』。累計部数1700万部を突破し、マンガ大賞2021で大賞に輝いた人気作品です。そんな『葬送のフリーレン』がアニメ化され、現在放送中です。種﨑さんは主人公のエルフの魔法使い・フリーレンを演じています。 ――フリーレンを演じてみていかがですか? フリーレンはずっと難しいです。なんて難しいキャラクターだろうと、演じるにあたり思います。例えばセリフで言うと、「たった10年の冒険だよ」とか、「そうだね」って言葉がわりとたくさん出てくるんですけど、一個一個がその時々によって同じ「そうだね」でも、全然違う「そうだね」の意味があるというか…。 ――同じセリフでもニュアンスが違う? 全部違います。全部違うし、何かちょっとでも違う終わり方になると意味が変わってきてしまいそうで。ちゃんと伝えたいなって思うんですけど、それが針の穴に糸を通すじゃないですけども、難しいんです。
■会社員から転身 本当にやりたいことは“気が済むまでやるべき”
――夢を目指す人々に、アドバイスを送るとしたら? 私も本当、小さい頃に声優になりたいって思っていました。会社員だったこともあったので、なりたいって思ってからなれるまでにすごく時間がかかったんです。なってからもすごく大変です。でも、なりたいって思って突き進んでいたら、今こう(声優に)なれているから、本当にやりたいことだったらいろんなものに惑わされずに信念を大事に突き進んでいったら良いのではないかと思います。その結果、夢が絶対にかなうかどうかはわかりません。わかりませんが、やりたいことがあるなら、気が済むまでやるべきだと思います。
【種﨑敦美プロフィル】 大分県出身。『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のダイ、『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』ヴィヴィなど、数々の話題作で主要キャラクターを演じる。第十七回声優アワードでは主演声優賞と助演声優賞を同時受賞するという史上初の快挙を成し遂げた。
【お話を聞いて一答遼談!(編集後記)】 どんな役でもぴったりの表現をされる種﨑さん。演じ分けているのではなく、“自分がこのキャラクターを演じるなら”と考えたときに出てきたものを表現しているという説明は、キャラクターと真摯(しんし)に向き合う種﨑さんをまさに表しているなと感じました。 夢見ていた、これからもやっていきたい声優だからこそ「苦しい」という種﨑さんの言葉が強く耳に残っています。夢をかなえたその先に待つ“苦しさ”を誰よりも受け止め、種﨑さんが命を吹き込んだキャラクターたちとまた会えるのが楽しみです。 企画・取材:日本テレビ 伊藤遼