今年はエピファネイア産駒とゴールドシップ産駒にチャンス 父仔制覇の多い3冠最終戦・菊花賞
菊花賞(3歳牡牝・GI・芝3000m)は父仔制覇が多いレースだ。過去84回で実に14組。とりわけ21世紀になって以降は目立ち、96年覇者のダンスインザダークの産駒が3勝、06年覇者のディープインパクトの産駒が5勝を挙げている。ここでは懐かしの父仔制覇を振り返りたい。 【写真】二冠馬を撃破 ザッツザプレンティこれまでの軌跡 オールドファンに思い出深いのは85年のミホシンザンではないだろうか。デビュー4連勝で皐月賞を制した後、骨折が判明したため、日本ダービーを見送って休養へ。休み明けのセントライト記念は5着に敗れたが、続く京都新聞杯を快勝。そして迎えた3冠最終戦だった。12番枠からスタートすると中団前寄りを確保。勝負所で一瞬、手応えが怪しくなったが、ポジションをキープして直線へ。馬場の中程から抜け出すと、大外から追い上げたスダホークを1馬身1/4抑え、2つ目のGIタイトル獲得となった。シンザン産駒では81年のミナガワマンナに続き、2頭目の菊戴冠。競馬にタラレバは禁物といわれるが、無事なら父に続く3冠馬になっていたかも…。そう思わせる素晴らしい走りだった。 ダンスインザダーク産駒では03年のザッツザプレンティを取り上げたい。2歳時のラジオたんぱ杯2歳Sで重賞初制覇。その後、春の2冠は皐月賞が8着、日本ダービーが3着、秋初戦の神戸新聞杯も5着と脇役キャラに甘んじていたが、秋の京都で大輪の花を咲かせた。序盤は縦長の隊列の中団追走だったが、向正面で進出開始、4角手前で先頭に立つと、そのまま後続の追い上げを抑えて押し切ったのだ。好騎乗を見せた安藤勝己騎手は右手でガッツポーズ。父のダンスインザダークを管理した橋口弘次郎調教師にとっても、感慨深い勝利となった。 さて、今年はエピファネイア産駒のダノンデサイルとビザンチンドリーム、ゴールドシップ産駒のメイショウタバルと、菊花賞馬の産駒となる有力馬が揃った。どの馬が史上15組目の父仔制覇を果たすのか。そういった視点でも楽しめるクラシック最終戦となる。 【菊花賞の父仔制覇】左が父、右が仔 ・41年セントライト→52年セントオー ・49年トサミドリ→56年キタノオー ・49年トサミドリ→60年キタノオー ・49年トサミドリ→62年ヒロキミ ・64年シンザン→81年ミナガワマンナ ・64年シンザン→85年ミホシンザン ・96年ダンスインザダーク→03年ザッツザプレンティ ・96年ダンスインザダーク→04年デルタブルース ・96年ダンスインザダーク→09年スリーロールス ・05年ディープインパクト→16年サトノダイヤモンド ・05年ディープインパクト→18年フィエールマン ・05年ディープインパクト→19年ワールドプレミア ・05年ディープインパクト→20年コントレイル ・05年ディープインパクト→22年アスクビクターモア