テスラが人型ロボットの滑らかな動作を公開→倍速再生でした
ちっちゃい文字で断ってるので、ウソではありません。 Tesla(テスラ)が開発中の人型AIロボット・Optimusの最新動画を公開しました。Optimusはつつがなく二足歩行したり、人に飲み物を渡したり、階段を登ったりしています。 【全画像をみる】テスラが人型ロボットの滑らかな動作を公開→倍速再生でした でもよくよく見ると、動画の右上には「2X」「8X」「10X」といった文字が…つまり2倍速、8倍速、10倍速で再生してるんです。ということは、ゆっっっくりとした動きを、まるでスイスイ自律動作してるように見せてるんです。
遠隔操作疑惑があったばかり
テスラのイーロン・マスクCEOは先週、待望の自動運転タクシーCybercabを発表したんですが、メディアはそこに登場したOptimusに釘付けでした。ダンスも会話もじゃんけんもできるOptimusを見た人たちは、これが自律動作だなんて…と歓喜したんですが、実際は人間が(すべてではないにしろ)リモコン操作してたらしいんです。 なので多くの人は、マスク氏はOptimusの能力を偽ろうとしてるんじゃないか?と疑いの目を向けていました。テスラはその疑いを晴らそうと、Optimusの実力を示すために今回の動画公開に至ったのではないでしょうか。でもこの動画が倍速再生されてたことで、疑念がますます深まってしまいました。 動画のすみに小さく書かれた数字は、ロボットの動作に注目していたらすぐ見逃してしまいます。でもこういう動画を出していること自体、Optimusがまだまだ主要な競合ロボットに遅れをとっていることを表しています。そして、Optimusを近い将来コンシューマーに提供するというマスク氏の目標が楽観的すぎるということでもあります。
実際の動きはどうなの?
Optimusが実際どう見えるのか、倍速になっていた動画を元の速度に戻したのがこちらです。二足歩行ロボットとしての動き自体は問題ありませんが、印象はだいぶ変わります。 テスラがポストした動画には階段を上っている部分もあります。筆者は2015年にDARPAのRobotics Challengeを取材したんですが、階段上りに苦戦する学生チームが多かったのを覚えています。 なのでテスラはたしかに、2015年の学生チームのレベルは超えているのはわかります。とはいえRobotics Challengeのロボットは観客の前でリアルタイムで動かさなきゃいけないのに対し、このテスラの動画は何回か撮り直したのか、失敗することなくスムースに登れたのかはわかりません。 またこの階段上りパートでは、動画の他のパートでは右上に表示されていた「AUTONOMOUS」(自律動作)の文字がありません。ということは、Optimusは階段を登るときには人間による操作が必要ということでしょう。これらについて米Gizmodoからテスラに質問していますが、回答はまだありません。