ギャンブル依存症は欧州サッカーも蝕む…“3兆円級”イタリアの違法オンライン賭博騒動「真夜中にスマホで」“優等生MF”の転落証言が生々しい
大谷翔平の前通訳・水原一平氏のギャンブル依存症のニュースが大きく報じられている。競技は違えど、欧州サッカーにおいても昨年、激震が走る出来事があった。イタリア代表を背負って立つと見られた有望株たちが陥った違法賭博スキャンダルと、そこから立ち直ろうとする現状について現地在住ライターが背景をレポートする。<全2回の第1回/第2回も> 【写真】ギャンブル依存症に陥ったイタリアの有望株たち…「真夜中にスマホ」「借金4億7000万円に」生々しい証言をした選手たちを見る イタリア代表は3月の米国遠征を連勝で終え、今夏のEURO2024ドイツ大会に臨む。 前回覇者のアッズーリ(イタリア代表の愛称)は、予選グループ同組となった強敵イングランドとの突破争いや前代表監督マンチーニの電撃辞任といった苦難を乗り越えての本大会出場だが、昨秋に発覚した現役代表選手による違法スポーツ賭博問題が与えた衝撃はとりわけ大きかった。
イタリア代表招集中のトナーリとザニオーロが…
EURO予選の大詰めを前に代表チームが合宿中のナショナル・トレセンを警察の捜査陣が訪れたのは、昨年10月12日のことだ。 違法オンライン賭博サイトを利用していた疑いで、MFサンドロ・トナーリ(ニューカッスル)とMFニコロ・ザニオーロ(アストンビラ)の2人が事情聴取を受け、彼らはスマホとタブレットを押収された後、代表離脱を余儀なくされた。 トリノ地方検察が別件で進めていたユベントスMFニコロ・ファジョーリへの捜査とともに、サッカー選手の間に違法オンライン賭博の利用が蔓延していることを知らしめた一連の事件は「スカンダロ・スコンメッセ(賭博スキャンダル)」と呼ばれ、さまざまな波紋を呼んでいる。 イタリアでは、違法オンラインサイトでの賭博行為は脱税やマネーロンダリング、反社会的勢力活動の温床につながるとして刑法違反にあたる。また、FIGC(伊サッカー連盟)が定める競技規則第24条では、プロ選手によるサッカー競技へのあらゆる賭博行為を禁じており、違反すれば長期出場停止処分と罰金に加え、世間から白眼視されることは免れない。
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