“キング・オブ・キング”が登場し“ネオレトロ”も出揃った2024年のアドベンチャーバイク界隈 2025年はどうなる?
今回はカラーチェンジだけではなく、エンジンの圧縮比・バルブタイミングを変更したことで最大トルクを向上。 さらにDCTにも手を加え、発進特性と極低速域のコントロール性を向上しています。
2024年最後の最後に登場した小さな大物ADV
R1300GSアドベンチャー以外にも、新型車の登場や既存車の改良が2024年は相次ぎます。 新型として登場したのは、モト・グッツィ「ステルビオ」、そしてトライアンフ「タイガースポーツ800」「タイガースポーツ660」です。 この3車種に共通するのは“1000cc未満”という点です。
ADVブーム黎明期は、GSに追いつけ追い越せと大排気量・ハイパワーADVが盛んに登場しました。 しかし市場が安定期に入ると、取り回し面で不利なリッターオーバー車よりも、1000cc未満の中間排気量ADVが多く登場しました。 バイクを“よっこらしょ”と引き起こすか“ひらっ”と引き起こすかは大きな問題です。 前日の疲れが取れない休日の朝に、重たくシート高もかさんでいるバイクを力一杯引き起こして駐輪場の中を引き回す気にはなれないでしょう。 そこで、ローパワーでも気軽に引き起こせ気軽に乗り出せる中間排気量ADVに各社注力するようになります。 2024年もその流れは変わらないようです。 それから昨今の日本はレトロブームが起きていますが、そのブームはバイクにも波及し、ネオレトロ/ネオクラシックという新たなカテゴリが誕生しています。 ADVでもレトロさを前面に出したモデルが2024年に登場しました。 2月に発表されたロイヤルエンフィールドの「ヒマラヤ」はまさにレトロさが前面にでているスタイルですし、8月に発表されたモト・グッツィ「ヒマラヤ」も丸目の二眼式ヘッドライトを採用したレトロ感あふれるモデルです。 ADVとネオレトロの2大ブームが融合した機種がでたのも2024年のADVの特徴ではないでしょうか。 ※ ※ ※ 11月には、ADVにもうひとつのビッグニュースが飛び込んできました。 カワサキから「シェルパ」が復活したのです。かつての名車が現代版としてよみがえりました。
新型「KLX230 シェルパ」は、オフロードモデル「KLX230」をベースに解析性や積載性をプラスしたモデルで、どこでも走れるということを考えれば立派なADVに分類ができます。 232ccの空冷単気筒エンジンを搭載した車体は134kgと非常に軽量で、普段の足から長距離、キャンプツーリングと多方面で役立ってくれそうです。 新生シェルパは、2025年のADV市場にどのような影響を与えるでしょうか。今後を占う大注目車種です。
Peacock Blue K.K.