「坂」を観光資源に 学生の視点で地域住民が見落としがちなまちの魅力を再発掘 立大生がマップ作成 埼玉・朝霞市役所で贈呈式 2万部を発行、駅などで配布
学生ら若者の視点で地域住民が見落としがちなまちの魅力を再発掘しようと、埼玉県新座市の立教大学新座キャンパスに通う観光学部の3年生9人が市内各所を取材・編集した観光ガイドマップ「ぶらって朝霞」がこのほど完成。関係者らを集めて4日、朝霞市役所で贈呈式が行われた。 石破茂氏“人が足りぬ時代”を語る 都会に出て行った子ども、どう戻るか「地域を好きでないと戻らない」
この取り組みは2008年から同大と武蔵野銀行が行っている産学連携事業の一環。これまで第1号の幸手市から始まり、羽生市、新座市、秩父市、川越市など県内11地域で累計46万部を発行。今回の朝霞市で12号目となる。 本号では「坂を主軸に朝霞を巡る」をテーマに市内の観光エリアを紹介。23年春から学生らは延べ60回にわたり現地を訪れ、地域住民にとっては日々不便に感じるかもしれない“坂”が、視点を変えることでほかの自治体にはない独自の魅力になり得ると考え、朝・昼・夕・夜の四つの時間帯に分けて、市内のさまざまな坂から見える景色や周辺の飲食店、地域で生き生きと暮らす住民の姿などを写真付きで紹介している。 贈呈式には西原廉太立教大学総長、長堀和正武蔵野銀行頭取らも出席し、学生らはマップに込めた思いや取材過程で感じた市の魅力などを説明。その後、神田直人副市長に完成したマップを贈呈した。 プロジェクトメンバーを代表して同大3年の佐野晴菜さん(21)は「学生有志が集まったので取材や編集作業の時間の擦り合わせが大変だった」と苦労を振り返りつつ、出来上がったマップに手応えを感じている様子だった。
「ぶらって朝霞」はB5サイズ全16ページ、オールカラー。計2万部を発行し、同市役所や同大池袋・新座キャンパス、武蔵野銀行全店のほか、大学沿線の朝霞、朝霞台など4駅などで配布される。