トイレ、シャワー…節水商品の売り上げ急増 「屋上タンク復活させたい」異例の相談も 渇水続く沖縄
渇水が続き、有機フッ素化合物(PFAS)対策で停止している中部水源からの取水再開が迫る中、節水商品や浄水器の売れ行きが伸びている。大口利用のホテルでも節水の取り組みが進んでいる。 【図で分かる】シャワーや洗濯、節水効果のポイント
「屋上タンクを復活させる工事をお願いしたい」。浦添市城間のメイクマン浦添本店に先日、異例の相談が寄せられた。担当者は「断水の不安からくる水の買いだめに近いものかもしれない」と話す。 過去に断水を経験した沖縄の住宅は今も屋上タンクが残る。ただ、赤さびの沈でんや藻の発生など衛生面の課題があり、直結給水方式への切り替えが進んできた。 同店の節水商品で売り上げが伸びているのは、水の使用量が多いトイレやシャワーの関連だ。トイレの便器は先月26~28日の即売会だけで15台ほどが売れたという。担当者は「沖縄で主流の40~50年前のモデルと比べ、半分近い節水効果がある」と話す。2千~5千円台で購入できる節水シャワーヘッドも人気だ。 PFASへの不安から浄水器の売り上げも伸びている。昨年以降、各メーカーが「PFAS対策」をホームページでうたうようになり、飲食店を中心に購入が増えているという。 水の使用量が多いホテルでも節水の取り組みが進む。かけ流し温泉やプールを備えるロワジールホテル那覇(武田寛枝総支配人)では、深層地下水を循環させて使用する「井水浄化システム」を2020年に導入した。同ホテルの23年の使用量は約11万9千トン。そのうち井水が約9万6千トンで、約80%の節水ができるほか、2100万円の経費節約にもなっているという。
ホテルパームロイヤルNAHAは10年以上前から客室に節水シャワーヘッドを設置し、約3割の節水を実現している。高倉直久総支配人は「県の節水協力願を受けて、シャワーをこまめに切るなどのお願いをカウンターに掲示をするなど、お客さまにも節水を呼びかける」と話した。 (南彰、與那覇智早)
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