【バレー】春高連覇を達成した駿台学園 亀岡聖成が1年前に決意したこと「厳しくすべきところはしていかないと」〔月バレ2023年3月号プレーバック〕
当時1年生の川野選手、高澤選手が途中出場して試合の流れが動く
――その第3セット、10-14から川野選手、高澤選手が途中出場して試合の流れが動きました。焦りはなかったですか? 5人 内心…(笑) 亀岡 追いつくには何か変わったことをしないといけないので。でも、2人がコートに入ってきて変わりました。 川野 ミスを怖がらずにプレーしようと思っていました。点を決めたときは喜ぶし、ミスしても雰囲気を落とさないように声を出して頑張ろうと思っていました。 高澤 初戦ではしなかったのに、決勝はめっちゃ緊張しました(笑) 秋本 顔が真っ白で。「息しろよ!」って言って(笑) 亀岡 やばかった! 水を飲んでいるときに口から出ていて(笑) 高澤 飲み方を忘れていました(笑) でも、4セット目の途中からだんだん落ち着いてきて、5セット目は伸び伸びプレーすることができました。 ――試合が進むにつれて相手の強打に対応するシーンが増えました 三宅 国体が終わってから、台上からのレフトとライト側からのストレート、クロスのディグ練習に加えて、パイプ攻撃対策のディグ練習も増えて。それが生きたと思います。 基本は自分のことですが…、国体の準決勝で鎮西(熊本県代表)と対戦して、レシーブのミスが多かったです。あのスパイクを拾わないと勝てないので、ほんとうに意識が上がったと思います。 亀岡 球出しが重要になったと思います。打つ選手はコースや打ち方、スピードについても細かく言われていました。フェイントを入れたり、試合に近い練習をしていました。 ――なかでもよく布台聖選手(編注/現・早稲田大)がレシーブしていました 三宅 すごいインナーを拾っていたので、さすがだなと思いました。 亀岡 レシーブもそうですが、声かけでも聖くんに引っ張ってもらいました。切り替えないといけない部分と修正しなきゃいけない部分をはっきり教えてくれたので、やりやすかったです。 例えば、ディグのワンタッチボールなど、必ず拾わないといけないボールをはじいていましたが、それを指摘してもらえたことで(レシーブの)面の角度を意識するようになりました。聖くんのおかげで1本目のこだわりが強くなったと思います。 秋本 いつも声を出してプレーしていて、決勝の日はすごく響いていたと思います。決勝は声を出して走り回っていて、イケイケでしたね(笑) ――これからは頼りになった3年生がいなくなります。新チームのキャプテンは亀岡選手に決まりました 秋本&三宅 (亀岡)聖成しかいない。 亀岡 立候補しました。今は練習中のミスを流してしまっていて、まだ聖くんのような存在がいません。これまでは3年生に引っ張ってもらっていましたが、次は自分たちしかいないので。自分が中心となって、厳しくすべきところはしていかないと、と思います。 前回の全国三冠が駿台なので、その記録を塗り替えられるようにしたいです。ただ、技術面も体もまだまだ。組織力を上げて精度の高いバレーをしていかないといけないと思います。 秋本 今はまだわからないですが、負けないようにすれば(三冠は)見えてくると思うので。負けないチームをつくりたいです。 高澤 まずはポジションを取られないように、しっかりやっていかないとダメだと思います。ブロックでアピールしていきたいです。 川野 うまい1年生が入ってくると思うので、何か一つでも突出したプレーを見つけたいです。この1年間を振り返って、春高の決勝で速い攻撃を決められたのはよかったですが、二段トスも打ちきれるようにならないといけません。プレーでは三宅くんにも負けないようにしたいと思います。 三宅 来年度もバチバチです! 取材/田中風太 撮影/山岡邦彦(NBP) ------ 以上、月刊バレーボール2023年3月号を振り返った。当時、新チームで主将に立候補した亀岡は「厳しくすべきところはしていかないと」と語っていたが、梅川大介監督は今大会の優勝直後のインタビューで彼が「嫌な役回り」をやりきったことを労っていた。目標としていた三冠は惜しくも逃したが、男子高校バレーのフロントランナーとして存在感を発揮し続けたチームは、インターハイとの二冠、春高連覇という勲章を手にした。
月刊バレーボール