安藤美姫の“教え子デート報道”はアメリカでどう見られているか? NY在住ジャーナリストが解説する「日本にはない専門機関」の存在
フィギュアスケートコーチ、安藤美姫が16歳の教え子と手をつないで歩く姿などがスクープされ、海外のスケート関連メディアでも大きく報道されている。週刊文春の記事によると、安藤は記者の質問に対し、二人がお互いの腰に手を回したりする行為に特別な意味はないことを強調した。 【写真】制服&スケート靴でリンクに立つ安藤美姫さんなど、この記事の写真をすべて見る。 数年の海外生活も経験した彼女にとって、こうした行為は単なるスキンシップと擁護する声もある。だが実はアマチュアスポーツにおけるコーチと生徒の「Code of Conduct/行動規範」は海外の方が厳しく設定されている。USOC(米国オリンピック委員会)の仕事をするスポーツジャーナリストが、NumberWebの独占取材に応じて見解を述べた。 ◆◆◆ 「80年代、90年代くらいまでは、アメリカでもコーチが生徒を自宅に泊めたり、二人きりで一緒に食事をしたりというのは普通のことでした」 そう語るのは、ニューヨーク在住スポーツジャーナリストのリン・ラザフォード氏。スケート取材歴も長く、現役当時の安藤の単独取材も何度か行ってきている。 「でも現在、米国ではアマチュアスポーツのコーチと生徒の接触の仕方には大きな規制がたくさんあるんです」 そのガイドラインを設置しているのは、The United State Center for SafeSportという機関だ。米国で体操女子選手300人以上が性的虐待を受けていたという衝撃的な事件が明るみに出た翌年の2017年に創設された、非営利の監視機関である。オリンピック・パラリンピックスポーツに関わる未成年のアスリートの性的虐待を防ぐことを主な目的にしているが、言葉による精神的虐待、身体的虐待なども対象としている。
コーチへの「厳しいガイドライン」
「現在どのアマチュアスポーツも、プロのコーチになるにはこのSafeSportの講習を受けなくてはならないんです」 この講習で徹底的に指導されるのは、コーチと生徒の関係をあくまでプロフェッショナルに、節度のあるものに保つ、ということだという。 現在コーチが未成年のアスリートとプライベートな時間に密室で二人きりになることは禁止されていて、リンクへの車での送迎や、お互いの個人宅への訪問などもこれに含まれる。日本のスポーツ界の一般的な師弟関係からすると、ずいぶん厳しいガイドラインだ。 「個人的には、行き過ぎかなと思う部分もあるのですけれど」とラザフォード氏。だがこうした規制が必要なほど、これまで米国でも性的虐待のケースが後を絶たなかったということなのだろう。
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