絶品のあんみつは工場直売の『並木食品』で。
東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどを ぶらりと周っていく連載企画「東京五十音散策」。「き」は錦糸町。
限りなく透明に近いフード、こんにゃく&寒天。ローカロリーな上、食物繊維も含まれて腹持ちも良く、近年は海外人気も高まるジャパニーズ・スーパーフードである。 東京五十音散策 錦糸町②
錦糸町駅から本所吾妻橋方面へ徒歩15分ほどにある『並木食品』は、そんなこんにゃくと寒天を製造・販売する工場。ここで出荷された寒天は浅草や亀戸エリアの甘味処へ、こんにゃくはお弁当や給食へ使用するため全国へと渡っている。創業は昭和29年。人形町のすき焼きの名店『今半』のお弁当に入っているこんにゃくもこの並木食品のものなのだとか。
実はその工場に隣接した場所で、自慢の寒天を使用したあんみつや、寒天をそのまま味わうストイックスタイルの「黒蜜寒天」、爪楊枝で丸いゴムに入った寒天を割って食べるオリジナル商品「水天」などを店頭販売している。弾力バツグンの寒天を使用した品は、地元の人にも人気で売り切れることも多いとか。
店先では、従業員の山長さんが工場での作業の合間を縫って接客の対応をしてくれた。
「自分はここで勤めて10年になりますが、そのモチベーションはこの直売所であんみつを買うお客さんの喜ぶ声からきていると思います。地元の方はもちろん、先日は湘南からわざわざ買いに来てくださるお客さんもいました。『ここのあんみつが1番美味しい』と声をかけてくださる方もいて、嬉しい出会いがたくさんあるんです」
全国へと広がる味は、小さな店頭での些細なやり取りから始まっている。そんな素朴で控えめで、無色透明な寒天が、主役級の活躍をみせる絶品のあんみつを、ぜひ一度食べてみてほしい。リピーターになること限りなく間違いなし。
インフォメーション
正面左が直売所、右が工場。製造がメインなので、業務が終わり次第店頭販売も終了する場合があるため、早めに訪れるのが吉。天草のみを使用した、固さと弾力がよく出ている寒天はクセになる。透明ななかにも違いあり。 ○東京都墨田区本所3-25-6 9:00~16:00(12:00~13:00は休)/土曜日のみ9:00~12:00 日・祝休 photo: Hiroshi Nakamura, text: Ryoma Uchida, edit: Toromatsu
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