「死なせるのは、かわいそう」 野蚕を殺さない糸取りを研究 小4が長野県知事賞
9月に審査があった長野県学生科学賞作品展覧会(県教育委員会など主催)の小学生の部で、最高の県知事賞を受賞した岡谷市長地小学校4年の八並伸之介君(10)が13日、市役所を訪れ、宮坂享教育長らに報告した。研究テーマは「野蚕を死なせずに糸を取る方法を考える」で、研究動機や成果を熱心に説明した。 【写真】繭を煮て糸を取る通常の製糸作業 八並君は5年前から屋外に生息し、繭から糸が取れる「野蚕」を採取し、家で飼育してきた。通常の製糸作業では繭を煮て糸を取るが、八並君は「死なせるのは、かわいそう」と野蚕を生かしたまま取る方法を模索した。 飼育した結果、野蚕8種類のうち、1種類の繭だけ上部に穴があることが判明。その穴から幼虫を取り出してから煮て、2メートルほどの糸を取ることに成功した。幼虫も無事に成虫に成長したという。 八並君は野蚕の魅力について「顔がかわいくて、いろんな色の種類がいる」と説明。「これからは他の昆虫や魚も研究したい」と意欲を見せていた。