明大・宗山塁（2024年10月20日撮影）

　プロ野球ドラフト会議が24日、都内で行われる。23日は各球団が直前のスカウト会議を行い、備えた。 【写真】くじを引く動きを見せる広島新井貴浩監督 　23日19時時点でドラフト1位の事前公表は1球団のみとなった。広島が即戦力ショートの明大・宗山塁内野手（4年＝広陵）を1位指名する。宗山は地元広島出身でもある。 　公言は11日だった。しかしその後「うちも」が現れなかった。 　投手候補の目玉、関大の左腕・金丸夢斗投手（4年＝神港橘）も多くの球団が1位指名候補に挙げながら、ドラフト前日でも公表球団はない。 　昨秋のドラフト会議では4球団、22年秋に至っては9球団が、会議前に1位指名選手を公表していた。今年は夏前には「公表する方が多いのでは？」という各球団の声もあったものの、ふたをあけてみれば“広島・宗山”のみだった。 　今年はなぜ－。ドラフトは激烈な情報戦。即戦力としての評価の選手が多ければ、「うちも」と公表することで他球団を競合回避の選択に誘える可能性もあるだろう。だが、今年は宗山と金丸に最上級の評価が集中する。公表したとしても、2人以外に目を向けさせられそうな特A選手が不在なため、公表のメリットは少ない。加えて、ライバル球団を「もしかして、あそこはあの高校生を一本釣りするのでは？」などと疑心暗鬼にさせられれば、結果的に競合球団を減らせる可能性も生まれてくる。 　ある球団の編成幹部は「今回は1位の12人に入る可能性がありえる選手は20人じゃきかない」と苦笑いする。「例年なら3～4位くらいの評価の候補選手の層が多い」というトレンドで、球団のニーズに応じて、他球団が思いもよらない選手が1～2位指名で選ばれる可能性さえある。24年ドラフトは、見る側にとって実にエキサイティングな1日になる。【アマチュア野球担当＝金子真仁】