凱旋の五輪メダリストに飛んだ「英樹、ここからだ」 松山英樹53位発進も「明日中に上位に近づくことはできる」
ZOZOチャンピオンシップ初日
日本開催の米男子ゴルフツアー・ZOZOチャンピオンシップが24日に千葉県のアコーディアG習志野CC(7079ヤード、パー70)で開幕した。2021年大会に次ぐ2度目の優勝を目指す松山英樹(LEXUS)は4バーディー、5ボギーの71で回って1オーバー。首位と8打差の53位での発進となった。今季ツアー2勝、パリ五輪銅メダリストとしての凱旋試合。22日の会見では「優勝を狙う」と意気込んだが、大きく出遅れてしまった。日本勢では金谷拓実、木下稜介、清水大成、今平周吾の4人が66で7位につけ、昨年大会4位の石川遼は68で、片岡尚之、杉浦悠太と並び22位。首位には、63をマークしたツアー1勝のテイラー・ムーア(米国)が立っている。 【動画】「こんな松山英樹見たことない」 コース上で感情を爆発させた実際の映像 松山は取材陣の前に立ち、初日の感想を問われて言った。 「残念です」 まさにそう言うしかない内容だった。大勢のギャラリーに見守られたスタート10番パー4は、5メートルのバーディーパットが決められずのパー。だが、11番パー4では第1打を右のラフに入れ、第2打もミスでピンまで約80ヤードを残した。第3打はピン下3メートルにつけたが、これを決めきれずにボギーを先行した。 続く12番パー4では300ヤード超のビッグドライブを放ち、左足下がりからの第2打では、巧みにクラブをコントロール。ピン上2.5メートルからのバーディーパットもジャストタッチで沈め、バウンスバックに成功した。 ギャラリーからは「松山さん、ナイス」「英樹、ここからだ」などの大きな声援が飛んだ。21年のマスターズを制した際は、ゴルフファンは「ものすごい偉業を成し遂げた」と歓喜したが、一般的な知名度はゴルフ界が期待した以上には上がらなかった。だが、今夏のパリ五輪で銅メダリストになったことで、その注目度はグンと上がった。この日も集まったギャラリーの大半が松山のプレーを見続けた。 その期待を感じながら、松山はギアを上げようとしたが、波に乗り切れなかった。14番パー5で痛いボギー。18番パー5でスコアをイーブンに戻したが、後半は1番パー4をボギーにした。その後、3番パー3、4番パー4は連続バーディーとしたが、5番パー3、8番パー4のボギーで表情は曇った。 「いいプレーをすることだけを考えてやっていたんですけど、なかなかうまくいかなかったです」 その後、「歓声や応援でプレッシャーは」と問われると、「それは力に変えないといけないと思っていますが、変えられるほど今の自分の状態が良くないので、少しでもプレッシャーがいい方向に左右するように頑張りたいと思います」と返した。 もっとも、まだ3日ある。予選落ちがないことで通常大会よりもアグレッシブにプレーできる。首位とは8打差とはいえ、トップ10圏内(7位タイが9人)には4打差。松山自身、ショット、パットがかみあえば、すぐに順位を上げる自信を持っている。だからこそ、言った。 「明日中に上位に近づくことはできると思うんですけど、そうなるように調整したいと思います」 第2日は午前10時35分スタート。今年、第6回をもって終了する今大会をいい形で締めくくるべく、松山がチャージを狙う。
THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida