4月入社の新入社員。職場で「テレワーク」を希望したら、「その分の評価が下がる」と言われた! これって問題ないの? 評価との関係を解説
働く場所にとらわれず、通勤時間の削減など時間を有効活用できるテレワークは、心身の負担を軽減したり、介護や育児と仕事を両立したりする助けになります。新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いてきた今も、テレワークという働き方は一般的になりました。 このような中、厚生労働省では、テレワークを正しく活用できないことで発生するトラブルを回避するために、ガイドラインを制定しています。 本記事では、ガイドラインを参考に、テレワークをすることによって人事評価を低くつけることは妥当性があるかを解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
テレワークを理由に低い評価をつけることは適切ではない
結論としては、テレワークという働き方を就業規則等で定め、その範囲内で活用している場合において、テレワークを理由に人事評価を低くつけることは適切ではありません。 テレワークは非対面の働き方である性質上、業務の進捗などが見えにくく評価が十分にできないという意見も聞かれます。 しかし、環境に合わせて適正な人事評価をできるように工夫することが企業には求められます。例えば、具体的に求める水準を提示することや達成状況の共通認識を持つための機会を設けること、評価者の訓練を行うことなどがあげられます。 また、適切でない評価として次のような具体例がガイドラインであげられています。 ■オフィスへ出社勤務している人を高く評価する オフィスで勤務する人を高く評価することによって、相対的にテレワークで働く人の評価が低くなることは適切とはいえません。これは、テレワークの実施頻度が労働者本人に委ねられている場合、評価を気にしてテレワークをすることを妨げてしまうことにつながるからです。 ■時間外や休日に対応しなかったことを理由に低い評価をつける テレワークをしていると、いつでもパソコンが手元にある環境となりますので、仕事とプライベートの区切りが不明確になりがちです。それを逆手にとって、時間外や休日にメールなどに対応しなかったことを理由に低い評価をつけることは適切ではありません。