【安田記念回顧】香港馬として18年ぶりのV 天と展開を味方につけたロマンチックウォリアー
着実に成長しているナミュール
2着ナミュールは後方から上がり32.9を記録し、今回は自分の力を出せた。若い頃は間隔をつめると成績を落とすという牝馬らしい面が目立ったが、今回は中2週でパフォーマンスは上昇した。タフさを身につけ、着実に成長した痕跡は感じられる一戦で収穫はあったが、そろそろもう一つ結果がほしい。春は難しいローテーションになったが、仕切り直した秋は結果にこだわるシーズンになるだろう。 3着ソウルラッシュは過去2年安田記念13、9着だったが、今年は3着と好走できた。33秒台前半の上がりを繰り出すような軽い競馬だと成績が伴わなかったが、今回は違った。J.モレイラ騎手が乗ったからなのか、馬自身の成長なのか迷うところ。鞍上が甘さを軽減させたようにもみえるので、次走は条件次第で慎重に扱いたい。 4着ガイアフォースは不得手な瞬発力勝負でも踏ん張れた。やはり東京はベストだろう。直線で進路を見出すまでに距離を要し、スパートのタイミングが遅れてしまった。瞬時に動くより、追って追って長くいい脚を繰り出すタイプだけに、この遅れは痛かった。引き続き東京の1600、2000mで狙っていこう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳