中高を私立学校に通わせるためには、親の年収はどれくらい必要?
子どもを私立学校に入れて、特色ある教育を受けさせたいと考える人は多いでしょう。しかし、私立の学費は高いというイメージから、自分の収入でも大丈夫だろうかと不安になる人もいるのではないでしょうか。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 そこで本記事では、子どもを私立に通わせる世帯の年収の傾向や、私立中学校、私立高校それぞれの1人当たりの教育費の目安、中高を私立に通う場合のトータルの教育費の目安を紹介します。
子どもを私立中学校・高校に通わせている人の年収はどのくらい?
文部科学省「令和3年度 子供の教育費調査」の結果によると、私立中学校、私立高校に通う子どもの家庭の年収は、図表1のような構成比となっています。 【図表1】
文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」より筆者作成 私立中学校の場合は、年収1200万円以上の世帯が約4割を占めており、全体の7割が年収800万円以上の世帯です。一方で年収400万円未満の世帯も3.8%あることから、高年収でなくても子どもを私立中学校に通わせられる可能性はあると言えます。 私立高校の場合は最も割合が高いのは年収600~799万円の世帯であり、私立中学校と比べると家庭の年収のラインは低い傾向が見て取れます。私立高校の実質無償化がスタートしたことにより、公的な補助がほとんどない私立中学校と比べて私立高校のほうが費用面のハードルは低いと考えてよいでしょう。
私立中学校・高校でかかる費用の内訳と平均額
中高を私立に通わせられるかどうかは、年収の数字だけで判断するのではなく、家計の収支と必要となる学費を比較したうえで検討する必要があります。図表2で、「令和3年度 子供の学習費調査」の結果に示された、私立中学校および高校に通う子ども1人当たりの、1年間にかかる教育費の金額と内訳を見てみましょう。 【図表2】
文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」より筆者作成 中学校では、1年間に140万円超、高校では1年間に100万円超の費用が必要です。子どもの人数が増えれば、人数分の教育費が必要になります。 この数字を目安にして、現在の家計の収支や貯金や学資保険などの状況、祖父母などからの資金援助の有無などの条件を総合的に考えて、中高の9年間の学費を負担していけるかどうか、シミュレーションしてみることをおすすめします。