『素晴らしき哉、先生!』りおの「背負ってる」に詰まったもの 永井大が“保護者”役を好演
時代と逆行する価値観を持っている現在のりお(生田絵梨花)
モンスターペアレントが多い昨今、『すばかな先生』のなかでも、“保護者は敵”のような描き方をされることが多い。しかし、教師に対する不安を吐露したり、文句を言うのは子どもの未来を心配するがゆえのこと。もちろん、限度はあると思うけれど、みんなそれだけ必死なのだ。 また、第3話には「コロナ前後で、確実に何か変わったような気がする」という台詞が登場した。これは、多くの人が感じていることではないだろうか。たとえば、三者面談がZoomでも大丈夫になっているなんて。筆者が学生のころは、選択肢にも入っていなかったと思う。部活動についても、無理してでも頑張るのではなく、体調が悪かったら早めに休息を取る……という風潮になってきたのは、ここ最近のことのような気がする。 現在のりおは「自分で好きで選んだ仕事だから」と“やりがい搾取”を受け入れ、時代と逆行する価値観を持っているが、今後はどうなっていくのだろう。「もっとラクに生きればいいんだよ」という玲奈(茅島みずき)の言葉は、りおの心に届いただろうか。
菜本かな