４回、バットを折りながらも中前打を放つ大山（撮影・金田祐二）

　「巨人５－０阪神」（３０日、東京ドーム） 　阪神は屈辱の２試合連続零封負けにも、希望の光は差した。状態が心配されていた大山悠輔内野手（２９）が、今季初安打をマーク。好守でも虎党を沸かせたが、敗戦後は「明日いい準備をして、明日に向けて頑張ります」とだけ言い残した。少ない言葉の中にシーズン１勝目への渇望をにじませた。 【写真】やられた阪神　岡本和に続き２者連続弾の巨人・坂本、どや顔がすぎる 　両チーム無得点で迎えた四回、突破口を切り開こうと仕事を果たす。先頭で打席を迎えると、カウント２－１からグリフィンのカットボールに反応。バットを折られて詰まった打球は、必死に追いかける二塁手・吉川の頭上を越えて中前へ。今季６打席目で初めてＨランプをともした。初回２死三塁ではフルカウントからきっちり見極めて、今季初の四球を選んだ。 　守備でも魅せた。二回無死一塁、坂本の打球が一塁後方のファウルゾーンへと上がる。エキサイトシートへ向けて背走した大山は、左手を伸ばして捕球。黄色く染まった左翼スタンドから称賛の拍手が送られた。 　下半身の張りでオープン戦ラスト３試合を欠場し、開幕戦は３三振を含む４タコ。試合後に岡田監督は「大山はちょっとなあ。踏ん張れてないなあ」と心配顔だったが、この日も変わらず「４番・一塁」で重責を担った。指揮官は「大丈夫言うからさ」と信頼のスタメン起用を説明。連敗を喫して「明日」と２度繰り返した４番のバットが、開幕３戦目こそ必ず初星へ導く。