車椅子のウェディングドレス姿に感嘆「こんなデザインがあったら…」車椅子YouTuberの呼びかけで高校生と製作
「車椅子で着れるウェディングドレスはたくさんある!でも、どうしてもタイヤや背もたれが丸見えなってたり、写真撮る時だけ隠したりっていうのが多い。私は、横から、後ろから見てもプリンセスラインやベルラインのようなドレスを着たかった!…」 【動画】車椅子でバージンロードを進んでみた…どこから見ても美しい! 車椅子YouTuberとして活動されている「現代のもののけ姫Maco」こと渋谷真子さん(@s_maco_)。X(旧Twitter)にてこの度、“ウェディングドレス”にまつわる投稿を行いました。 車椅子のユーザーがウェディングドレスを着るとしたら、選択肢が限られ、車椅子のタイヤや背もたれの部分が丸見えになってしまうものも…。ここで、渋谷さんは考えました。 「車椅子でも、もっと綺麗に着られるウェディングドレスがいい」 投稿で紹介されているドレスは、まさにそんな願いを実現させたもの。ドレスが全体をすっぽりと覆い、どちらを向いても無機質な車椅子のパーツが見えず、動いてもプリンセスラインがしっかり維持されています。 「一度かもしれない姿だからこそ、いろんな人が幸せになれるドレスであってほしい!」 渋谷さんのそんな想いから製作されたウェディングドレス。 「なんて美しい!!」 「すごい綺麗ですね。ウェディング業界の人間として感動しかありません」 「ドレスが車椅子の前輪に巻き込まれていないし、ラインを保ったまま車椅子を自力で進めている」 「諦めなくていいんだって励みになります」 Xのリプ欄にも、このような感動の声があがっています。
地元・鶴岡市のシルクを使って、学生たちが作る
車椅子でも綺麗に着られるドレスを紹介された渋谷さん。投稿にて、その製作にまつわる経緯も紹介されています。 渋谷さんは山形県鶴岡市在住。実はこのドレス、渋谷さんの地元の名産“鶴岡シルク”を使って、地元の高校生たちが作ったものだそうです。 鶴岡市は、日本最北端の絹産地としても名高い地域。いまも「養蚕から絹織物まで、一貫工程が残る国内唯一の地」とされ、2017年には日本遺産にも認定されました。 そんな上質な鶴岡シルクを使い、地元の高校・山形県立鶴岡中央高等学校総合学科で服飾を専攻している学生さんたちが、極上のドレスを作り上げています。 「私が『車椅子でも着れるウェディングドレスはあるけど、もっと全体をドレスで覆えるようにはできないか?一緒にやれないか?』という事を学校側にお願いをして製作することになりました」(渋谷さん) ドレスはトップスとスカートが別々なっていて、車椅子の方でも楽に着られる構造。さらに、ツーウェイタイプで簡単にマーメイドライン風に変えられたり、軽すぎないようにパールで重さを出したり、二の腕部分をケープで隠せたり――と、渋谷さんや作り手である高校生たちの思い・こだわりが随所に散りばめられています。 ――ドレスを作られている高校生の皆さんは、やはり服飾系の進路を目指しているのでしょうか? 渋谷さん:目指してるのは服飾というよりは美容系が多かったです。“おしゃれ”、“美”という事への興味の一つで、「服飾を経験したい」という思いがあるようでした。 ――学生さんたちに会った時の印象は? 渋谷さん:学生さんたちが自分でも着たいと思うような、また新しく型にハマってないようなデザインを考えて、試行錯誤しながら作り上げようとしていく姿を見て、「何事もチャレンジしてみれば、自分の糧になるんだな!」と感じました。 ――シルクも有名ですが、その他に鶴岡にはどんな魅力がありますか? 渋谷さん:海と山が近く、海産物、野菜、果物、お米、すべての食が揃い、とても美味しいです。そのため、ユネスコ食文化創造都市に日本で唯一、認定されています。特別な物があるわけではないですが、食、人、暮らしやすさから得られる小さな幸せが、心を豊かにしてくれる地域です。