写真：ダイヤモンド・オンライン

　FUNKY MONKEY BABYSの解散後、ソロ活動を始めたファンキー加藤。次々と新曲をリリースし、日本武道館、大阪城ホールを始めとして、多くのライブを成功させた。さらに、映画『サブイボマスク』で主演するなど、俳優としても活躍するようになる。40歳を超えてパワフルに歌い続けるために、彼が挑んでいることとは。※本稿は、ファンキー加藤『未完声』（徳間書店）の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ●　笑い飛ばしたかった 「40歳あるある」 　「40」は俺がその歳になった2018年のときの曲。 　40歳って、やっぱもう若くはない歳だし、体力的にも落ちて来たなってことを多くの人が実感するでしょう？俺はそこにあまり悲観するところはなかった。「これはまいったなあ」と頭をかくような場面は結構ある。そんな部分をおかしめて書こうと思った。 　チャールズ・チャップリンの言葉で、「人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見ると喜劇だ」というのがあって、これってなんか四十路の悲哀なんじゃないかって思ったんだよね。そんな「40歳あるある」を笑い飛ばしたかった。 　それに、歳を取ってきて同い歳って聞くと、初対面の人でも「戦友」みたいな気持ちが出てくる。だから、この曲は同世代に向けた応援ソング。 　10代とか20代が聴くと、よくわかんない部分もあると思うけど、40代がこの曲を聴いて盛り上がっているのを見て、「40歳になることって案外楽しいかも」なんて気持ちになってくれるといいなって思うね。 　40歳のことを「不惑」というけど、惑わないやつっている？（笑）俺、45歳になったけど、今も普通に惑ったり迷ったりするよ（笑）。惑いや迷いがあるから歌詞も書けるんだろうし、それだから応援ソングだって作れるんじゃないかな。

●　毎日走るのは 歌い続けるため 　ところで、現在45歳の俺は毎日5キロのジョギングをしているんだけど、この目的は「強くなりたい」ということ以外に、歌の仕事を続けていくための1つとしてやっている。 　ミック・ジャガーとか矢沢永吉さんとか、ベテランのシンガーほど走っていて、基本的にジョギングが健康面、スタミナ面でなんだかんだ大切らしい。 　もともとは走るのが苦手で、始めた当初は1～2キロでヒーヒーいっていたけど、毎日続けているうちに5キロぐらいは普通に走れるようになった。時間で言うと、だいたい30～35分ぐらい。毎日10キロ走ると、疲れがたまって回復が追いつかないという話を聞いて、基本、毎日5キロ走って、週1、2回のキックボクシングで体力強化とストレス発散。 　ジムではトレーナーさんに協力してもらって、プロレス技を披露してSNSに動画をアップして「プロレス少年」の好奇心も満足させている（笑）。 　ソロになってからは、気をつけるようになったことが多い。 　例えば、ライブ前の食事とかも、トレーナーさんとか、うちの兄貴が体育大学卒の体育教師なので、いろいろとアドバイスをもらったりもした。「ライブ中に飲んでる水ってただの水？吸収の早いスポーツドリンクとかのほうがいいよ」とか。 　自分でも結構調べて、ライブ前の食事はマラソン選手とかサッカー選手が試合前に摂る食事のタイミングと同じにしたり。 　ファンモンのときは、グループだったし、俺自身も30代前半で若かった。だから、全然無茶な過ごし方もできていたけど、ソロになってだんだん歳を取って体力もなくなっていくのを実感するようになってきた。やっぱり30代の後半くらいからは自分で体を鍛えて、積み立てていかないとって思う。