なぜ窪田正孝“藤竹”は観る者に勇気を与えるのか? NHKドラマ『宙わたる教室』第7話。「いいなぁ」と憧れた名シーンとは?
観る者を勇気づける窪田正孝“藤竹”の情熱
以前、相澤は自分たちには「科学の発展に寄与する義務がある」と言っていた。優れた能力を持つ彼らのような研究者がいたからこそ、わたしたちの社会が発展してきたことは言うまでもない。 それに対する藤竹の答えが、今回の「自分の居場所は自分で決める」という言葉だったように思う。周囲から寄り道や回り道のように見られようと、研究者のピークは終わったと陰で言われようと、藤竹は藤竹の信念に基づいて行動しているだけだ。尊敬できる恩師に見守られながら、信頼できる学生たちと、信じたものに向かって突き進む。そこには藤竹なりの情熱もたしかに存在する。 心から楽しむほどの余裕は、いまの相澤にはなさそうではあるが、ずっと研究室に飾ってある惑星探査機の模型をつくった頃のように夢中で科学にのめり込める日が再びやってくることを願っている。 【著者プロフィール:あまのさき】 アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
あまのさき