小学生の5人に1人がヤングケアラー 市の調査で判明 言葉の意味知らぬ子も 山口県岩国市
山口県岩国市は、大人に代わって家族の世話をする「ヤングケアラー」に関する実態調査を初めて実施し、結果をまとめた。「日常的に家族の世話をしている」と答えた子どもは小学5年で19・1%と5人に1人が該当した。中学2年で11・4%だった。市はサポートが必要な子が含まれているとみて支援策の充実を図る。 【グラフで見る】日常的に家族の世話をしている子どもの割合 5、6月に市内の小学5年979人、中学2年1086人の計2065人にアンケート用紙を配布し、小学5年466人、中学2年498人の計964人から回答があった。回答率は46・7%だった。 「世話をしている」とした子どものうち、気持ちや体力の面で「大変さを感じる」と答えたのは小5で50・6%、中2で26・3%に上った。小5で回答者の約10%、中2で約3%に当たり、市は支援が必要な子どもが含まれているとみる。 県の2022年度の実態調査では「世話をする家族がいる」としたのは小学5、6年で19・5%、中学1~3年で9・9%だった。市の調査では中学生の割合が県平均をやや上回った。 ヤングケアラーという言葉の意味を「知っている」と答えたのは両学年を合わせて13・5%にとどまり、認知度の低さも浮き彫りとなった。 市は、25年度から5カ年で取り組む施策を示す市こども計画を本年度中にまとめる予定。ヤングケアラーや保護者への支援を初めて盛り込む方針でいる。こども家庭課は「孤立しないよう相談しやすい環境づくりが重要。関係機関の連携にも取り組む」としている。
中国新聞社