神村学園、12年ぶり3回目の優勝 大津とのプレミア勢対決を制す
第45回九州高校U17サッカー大会は20日、大会最終日を実施。神村学園(鹿児島2)と大津(熊本1)による決勝はMF9大成健人(2年)の得点により、神村学園が1-0で勝利し、12年ぶり3回目の優勝を果たした。 【フォトギャラリー】 神村学園 vs 大津 ともに怪我人が複数いるため決してベストメンバーとは言えなかったが、プレミアリーグに在籍するチーム同士の対戦とあって、序盤から白熱した攻防が続いた。先にリズムを掴んだのは前日の準決勝、日章学園(宮崎2)戦を6-1で終えた大津。ボランチのMF8畑拓海(2年)を中心にボールを動かし、MF11舛井悠悟(2年)とMF10嶋本悠大(2年)の両翼が推進力を発揮しながら押し込んでいく。 前半8分には左サイドを上がったDF2大神優斗(2年)のボールから、FW19岩中翔大(2年)がシュート。11分には左中間を連携で崩し、ゴール前に入れたスルーパスがゴール前の舛井に渡ったが、シュートは打ち切れない。「チャンスは作れていたけど、決め切る力が相手にはあって、うちにはなかった。前半は(チャンスを)作れていたからこそ取り切りたかった」。そう山城朋大監督が振り返った通り、大津にとっては悔やまれる試合展開となった。 神村学園は「ボランチの所でボールを受けることを怖がっていたので、前進が難しかった」と有村圭一郎監督が振り返る。一方で大会前の練習試合では2試合続けて7失点していた守備は、原理原則を徹底したこと、試合経験を重ねたことで大崩れしないようになってきた。 「後ろが少しずつ良くなってきていて、失点しないような状況は頑張って作っていた」と指揮官が続けたようにこの日もDF18黒木涼我(2年)とDF20中野陽斗(1年)を中心にゴール前で粘り強い対応を見せて、無失点のまま試合を進めていく。 攻撃は「サイドが何本突破してクロスを上げたの。脅威になれているかと言えば、なれていない」(有村監督)ため、決定機が少なかったが、一瞬の隙を逃さない。29分には後方からのパスを右サイド受けたFW11日高元(1年)がドリブルからPA内に配球。走り込んだFW14名和田我空(2年)が角度のない位置から「中が見えていた」と素早くクロスを上げると、MF9大成健人(2年)がヘディング。このシュートが決まって、神村学園が先制した。 後半になるとより試合強度が高まっていく。「神村学園の選手は一人ひとりが強い。もう少し一つの立ち位置のズレで外せると思っていたのですが、思いのほかしつこいし、強い」と振り返るのは山城監督だ。中盤での激しいバトルから一進一退の攻防が続き、14分にはDF4鈴木悠仁(2年)が中盤で潰したこぼれ球を名和田が拾って、スルーパス。受けた日高がシュートを放ったが、GKの正面に終わる。