Jリーグ、警告数から見るチーム分析
今季から2ステージ制に移行したJ1リーグにおいて、累積警告による出場停止ルールが昨年と異なっていることを皆さんご存知でしょうか。今回はそんな反則・警告に関するデータからうかがえるチーム状況を探って行きたいと思います。
意外と知られていない累積警告ルール
まずは意外と認知されていない「2015年版 累積警告による出場停止ルール」について。表1に規定を簡単にまとめました。大前提となるのが、「各ステージが別大会扱い」となること。そしてリーグ規定では、大会ごとに試合数で出場停止となる警告累積回数が決まっており、2ステージ制となった今季は、1ステージ各チーム17試合ずつとなるので、10~19試合の3回が該当回数となります。さらに「各ステージが別大会扱い」のため、1stステージで受けた警告は2stステージに持ちこされない点も注意です。 その点を留意して表2をご覧ください。こちらはJ1リーグの今季(表2-1 第3節まで)と昨季(表2-2)の反則・警告数をそれぞれチームごとにまとめたもので、現在のところ第3節終了時では新潟、鹿島、仙台の順で警告数が多くなっています。中でも新潟、仙台は昨季リーグフェアプレー賞を受賞したチームだけにどのような変化があったのか気になるところです。
フェアプレー賞チームに異変?
まず仙台、1試合2枚イエローカードをもらうことによる退場処分が大きく影響しています。リーグ初戦は野沢、2戦目がハモン・ロペスと2戦連続で退場処分に。リーグ戦ではないものの、ナビスコカップでも毎試合警告を受けているだけに、ブロックを形成し守備をするのか前線からボール奪取に行くのか、バランスをうまく取ることが警告減への近道となりそうです。そしてリーグ戦を戦う上で気になるのが、先述の選手以外でも梁、金園と攻撃陣ばかりがカードをもらっていること。元々攻撃力があるチームではないだけに、ステージ終盤での戦力ダウンにつながらなければいいのですが。
続いて新潟。こちらは昨季第3節終了時点で警告を1枚ももらわなかった唯一のチーム。それだけに今季の8枚というデータは異常といえる値かも知れません。ラファエル・シルバが2枚もらっている以外は、1人で複数枚もらっている選手はいません。柳下政権4年目を迎える今季は、これまで培った前線からの守備とボール保持への意識の向上がテーマ。その成果が8枚という警告数に表れているのではないでしょうか。皆で共通理解が出来ているからこそ、前線から激しくボールを奪う、奪われても取りに行く、そしてボール保持率を上げる、といった一連の動作が連動して行えている。それがたまたま警告につながったということだと思えるほど、見ていて気持ちのいいサッカーができているのも事実。少しでも警告数を減らせればステージ制覇も近いのではないでしょうか。