【函館便り】不漁続きで活イカが街から消えた…漁火Sも11年前を最後に消えて…さびしい
函館といえば新鮮なイカが有名で、取れたてのスルメイカの刺し身は透明に近いあめ色。楽しみにしている競馬関係者も多く、ほのかな甘みとコリコリとした歯応えがこたえられないのです。 ところが…。実に残念なことに昨年に続いて今年も不漁続き。6月1日に漁が解禁され、海が穏やかになった4日が初出漁となりましたが、水揚げはわずかといえる量。26日に市内の有名活魚料理店に足を運ぶと、メニューには活イカとあります。同席した地元出身の調教助手さんは、1杯2000円近い値段に「高すぎ」とドン引きしていました。それでも食べられるならと勢い込んでオーダーしたものの品切れ。一流店でも手に入らないのですから、市内にほとんど出回っていないようです。 なじみの炉端焼きの店でも、イカの沖漬けならあるけれど…と申し訳なさそうに言われました(もちろんおいしくいただきました)。原因は海水温の上昇や黒潮の流れの変化と考えられるそうです。イカの不漁や原材料価格の高騰で、市内の水産販売会社が破産申請するというニュースも流れました。 その昔、朝の調教時間帯に、函館競馬場の向正面から「イカイカ~」とイカ売りの声が、威勢よくスタンドまで聞こえてきたものです。イカール星人という函館の観光キャラクターも懐かしい。 イカをおびき寄せるイカ釣り船のいさり火は、ゆくゆく過去のものになってしまうのでしょうか。函館競馬には漁火Sまたは漁火特別というレースもあって、勝ち馬のトーセンジョーダンやアヴェンチュラがG1馬に出世したのですが、2013年を最後に行われていません。寂しい。 イカたちには何とか戻ってきてほしいものです。【岡山俊明】