【学生長距離Close-upインタビュー】同期の活躍に刺激を受けた國學院大・山本歩夢「スピードエースであることを証明したい」
大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。37回目は、國学院大の山本歩夢(3年)をピックアップする。 國學院大の勢い止まらず!青木瑠郁が先輩・平林清澄以来の学生日本一「平林さん、步夢さんだけじゃないことを示せた」/日本学生ハーフ 1年時にハーフマラソンで当時日本人学生歴代2位タイの1時間0分43秒をマークした逸材。5000mの13分34秒85とともに2種目で國学院大記録を保持するエース候補だが、3年時はケガで思うようなシーズンを過ごせなかった。 いよいよ迎える学生最終シーズンを前に、これまでの歩みと今後の意気込みを語った。
3度目の箱根駅伝はケガで給水係に
國學院大の山本歩夢(3年)は今年の箱根駅伝を複雑な思いで迎えていた。 昨年11月後半に右脚大腿骨を疲労骨折。12月中旬に練習復帰したが、すぐに痛みが再発した。その結果、箱根駅伝の出場は見送られ、サポートに回ることになったのだ。 「大学に入学して自分が走らない箱根駅伝は初めてだったので、悔しさもあり、今のチームがどこまでいけるのかという楽しみもあったんです」 チームは12月中旬に登録メンバー16人中10人がインフルエンザに感染し、危機的な状況だった。 山本は祈る思いで、1月2日は寮で待機。翌日は9区・吉田蔵之介(1年)の給水を担当すると、フィニッシュの大手町に向かった。 「1、2年時にも3区を走った翌日に給水をした経験があり、すごく楽しかったのですが、今年は給水だけ。悔しさもありましたが、復路は1、2年生しかいなかったので、下級生が力を出せるように、自分ができることは何なのかを考えながら動いていました」 チーム一丸となって正月決戦を乗り切り、國學院大は総合5位でフィニッシュ。当初は「てっぺん」を目指していただけに100%納得のいく結果ではないものの、最後は意地を見せた。 もし、ハーフマラソンで学生歴代4位タイのタイムを持つ山本が万全な状態だったら、今年の箱根駅伝はどうなっていたのだろうか。大学入学時に描いた“夢”の達成は、次回の101回大会に持ち越されることになった。