新型ヒョンデ アイオニック5 Nに、フェラーリ・オーナーも振り向く!? スーパーカーもびっくりな走行性能に“900万円”も納得か
ヒョンデの「アイオニック5」にくわわった、高性能バージョンは刺激的だった! 小川フミオがリポートする。 【写真を見る】新型アイオニック5 Nの内外装など(21枚)専用装備がスポーティだ!
ハイパフォーマンスEVは競合ナシ
おもしろいクルマを探しているならば、ピュアEVで勧めたいのが、ヒョンデのアイオニック5 Nだ。650psの最高出力を持ち、スポーツカーのように走る5ドア・ハッチバック。本国で2023年に発売され、ドイツなどでも好調なセールスを記録しているという。クルマ好きの興味をおおいにかきたててきたモデルだ。 アイオニック5 Nの日本国内における発売は、2024年6月5日と正式に発表された。それに先立ち、メディア向け試乗会が開催されたのが4月下旬のこと。 「これはハイパワーEVでなく、競合がいないハイパフォーマンスEV」と、ヒョンデは胸を張る。それって、なんだろう? 車名の“N”はヒョンデの高性能ラインを表す。メルセデスならAMG、BMWならM、アウディならRS、トヨタならガズーなどに相当する。ヒョンデのグローバルR&D(研究開発)センターのがあるNamyang(ナムヤン)と、Nモデルを鍛え上げるニュルブルクリンク(サーキット)の頭文字から命名したという。 “ヘッド・オブ・Nブランド&モータースポーツ”の肩書きを持つ、バイスプレジデントのティル・ワルテンバーグは、今回のメディア向け試乗会のタイミングでナムヤンから来日した。 “ハイパフォーマンスEV”という定義は、ティル・ワルテンバーグによるものだ。 「直線が速いEVは数あるけれど、WRC(世界ラリー選手権)インスパイアードのEVは、アイオニック5 Nをおいてほかにありません」と、彼は胸をはる。 日本の現地法人、ヒョンデ・モビリティ・ジャパンでは、試乗の場所としてサーキットを提供。さらに、一部では水をまいた、いわゆるスキッドパッドを作りあげた。サーキットでは、スポーツカーなみの加速性能と安定したコーナリング性能が味わえ、スキッドパッドでは、なんとドリフトが簡単に楽しめた。 たとえば、ドリフト走行をしたいときは「Nドリフトオプティマイザー」なる設定をモニターで呼び出す。前後に搭載したモーターのトルクをコンピューターが制御、アクセルペダルの操作に応じて、各輪のトルク配分を適切に制御し、たとえばパイロンをまわるとき、アクセルペダルをポンッと強めに踏んで“きっかけ”を作ると、フロントを軸にリヤから車両がまわりはじめる。 試乗車のタイヤはピレリのPゼロ。このタイヤとの相性も良く、しっかりしたグリップ力を発揮した。 運転する人を楽しませてくれる機能は、ほかにも多い。ドライバーが任意で前後のトルク配分を決められる(後輪駆動にすることも可能な)「Nトルクディスとリビーション」、サーキットで左右の足を使ってアクセルとブレーキを同時に操作できる「レフトフットブレーキング」、強力な回生ブレーキで小さなコーナーで素早い挙動を実現する「Nペダル」といった具合。