【皐月賞】前走ホープフルS勝ち馬は文句なしの主役 レガレイラが76年ぶりの快挙へ視界良好
76年ぶりの快挙なるか、レガレイラ
キャリア2戦ビザンチンドリームは新馬、きさらぎ賞と連勝中。ジャスティンミラノも2戦2勝で共同通信杯を勝った。レガレイラは3戦2勝だが、牡馬相手のホープフルS勝ちが輝かしい。この3頭を三強としていいのか。データでひも解こう。 前走GⅠは【2-1-0-4】勝率28.6%、複勝率42.9%。やはりトレンドの「GⅠからGⅠへ」というローテは強い。前走ホープフルSは【2-0-0-2】で、1着馬は【2-0-0-1】。レガレイラは文句なしの主役といえる。だが主戦が離脱し、少しイヤな予感はある。ダービーは2007年ウオッカが勝ったが、牝馬による皐月賞制覇は1947年トキツカゼ、48年ヒデヒカリが最後。76年も前の歴史上の話で、東京で皐月賞が行われていたときのことだ。中山で勝てば史上初の快挙になる。 残る重賞では共同通信杯が【5-0-3-11】勝率26.3%、複勝率42.1%でトライアルを上回る。ここでは2着以内【5-0-2-7】でジャスティンミラノ、ジャンタルマンタルが残り、0.1秒差以上勝ち【3-0-2-3】だとジャスティンミラノのみが浮上する。今年の共同通信杯は前半1000m通過1.02.7と遅く、実質ラスト600m11.4-10.9-10.8の勝負になった。1、2着はともに上がり32.6。4コーナーの位置が勝負を決めた。ジャンタルマンタルがジャスティンミラノを逆転する可能性はあるか。 共同通信杯以外の重賞組に大きな差はない。そこで共同通信杯を含め、前走重賞組の着順別成績をみる。やはり1着【7-7-6-32】勝率13.5%、複勝率38.5%、2着【3-1-1-21】勝率11.5%、複勝率19.2%と連対が必須条件になる。3着以下【0-1-2-51】と逆襲がなくもないが、確率的にはかなり低い。 先に名前があがった3頭以外で前走重賞で連対したのはアーバンシック、アレグロブリランテ、コスモキュランダ、シンエンペラー、ダノンデサイル、ビザンチンドリーム、メイショウタバルの7頭。キャリアが少ない順に並べると、2戦ビザンチンドリーム、3戦アーバンシック、4戦アレグロブリランテ、シンエンペラー、ダノンデサイル、5戦メイショウタバル、7戦コスモキュランダとなる。 結果、レガレイラ、ジャスティンミラノ、ジャンタルマンタル、ビザンチンドリームが有力候補と言えそうだ。はたしてこの四強で決まるだろうか。紹介したデータを踏まえ、じっくり考えよう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳