「ナラティブガンダム」改修機に称賛の声 ガンプラモデラーが創造『ガンダムUC』“アナザーストーリー”とは?
■バンシィの黒とも紺とも呼べない絶妙な色を表現するために、納得のいくまで吟味
――本作を制作するうえで、最も大変だった(苦労した)ところ、最もこだわったところをそれぞれ教えてください。 【papico】兎にも角にも塗装が一番苦労しました。バンシィの黒とも紺とも呼べない絶妙な色を表現するために、納得のいくまでカラーを吟味しました。同じ色でも下地色によって仕上がりも変わってくるので、途方もない数のテストを繰り返し、この色が作れました。調色のメリットは自分の好きな色を作れるということですが、使用色・下地・配合比率を覚えておかないと2度と同じ色が作れないというデメリットもあるので、塗装を剥がさないようにいつも以上に大切に扱っております(笑)。 ――まさに絶妙の色合いですね。 【papico】ありがとうございます。自分の理想のバンシィの色を再現するために試行錯誤しました。市販の塗料に理想のカラーがなかったので、さまざまな塗料を組み合わせて調色し、自分だけのバンシィカラーを作りました。バンシィのカラーは紺寄りにするか黒寄りにするかモデラーの好みによって解釈が異なりますが、調色により紺にも見えるし黒にも見える絶妙な色にすることにできました。 ――ちなみに、本作はどのような世界線をイメージして制作されたのですか? 【papico】「『機動戦士ガンダムUC』の最終決戦にて、マリーダがもしクシャトリヤではなくナラティブガンダムに乗ったなら」というif設定で制作しました。マリーダは同作品の中でも特に人気が高く、僕も大好きなキャラクターの一人なのですが、劇中でリディとの闘いの末、悲しい最期を迎えてしまうキャラクターです。彼女自身、つらく悲しい過去があり、それを救ってくれたジンネマンとの絆にとても胸を打たれたため、当時その結末を受け入れることができませんでした。彼女には何とか生還してジンネマンのもとに帰ってきてほしい、そういう世界線もあってもいいのではないか、その願いを込めて制作しました。この機体ならばリディを止めて、マリーダをマスター(ジンネマン)のもとへ生還させてくれると信じております。今では原作の結末を受け入れ、納得はしているのですが、こういう「もしかしたらあったかもしれない世界」を表現できるというのもガンプラの魅力の1つなのではないかと思います!