「打線はここまでの投手陣の頑張りに応えてほしい」カープOB・大野豊氏が語る最終盤戦
ペナントレースもいよいよ大詰めを迎える新井カープ。『今年こそは』とファンの期待も高まるなか、天王山と位置付けた9月10日からの対巨人3連戦では苦戦を強いられた。負けられない終盤戦に向けチーム一丸となって戦うカープの現状を、OB・大野豊氏が独自の目線で解説する。 【写真】マツダ スタジアムで練習の様子を見つめる苫米地鉄人トレーナー 2024年のレギュラーシーズンも、いよいよ大詰めに入ってきました。まだまだセ・リーグの上位はどこが抜け出しても不思議ではありませんから、カープとしても改めて、目の前の一戦を確実に勝ち切っていかなければならないでしょう。 今シーズンの前半を振り返ると、カープは『僅差を競り勝つ』という試合が非常に多いシーズンでした。まさにカープの良さである『守り勝つ野球』そのものです。ただこれは裏を返せば、《どの試合も、なかなか点が取れていなかった》ということでもあります。投手陣に疲れが見え始めた9月、しっかりと勝っていくためにも、打線の奮起は間違いなく必要なのです。 投手陣でやや気がかりなのが栗林良吏の状態ですが、彼は新井貴浩監督が信頼して守護神と決めた投手なのですから、我々としても信じて応援する他ありません。栗林自身、いまは『修正したいけれどなかなか修正できない』という葛藤があるのかもしれません。私が見ている限り、やや軌道を外れているような球が続いているのではないかと感じますが、そこは今一度自分と向き合って、彼本来の投球を取り戻してもらいたいと思います。 シーズンも終盤を迎え、ここからはますます『楽に勝てる』といった試合はなくなっていくでしょう。とにかく先制して逃げ切る、得点を重ねて点差を開いていく。そんなゲーム展開に持ち込まなければなりません。そして、ここからはますます『1勝』の重みが大きくなっていくでしょうから、勝てる試合は確実に勝ちにつなげていかなければなりません。逆に言えば、『1敗』がのちのち大きく響いてくることもありえるのです。いまのカープは一発を期待するよりも、とにかく打線をつないで、つないで、確実に点に結びつけるような攻撃を見せてもらいたいと思います。 のちのち「あの試合で勝っておけば」ということになると、それが命取りとなる可能性も多いにあるのがシーズン終盤戦です。ここから確実にCSに進出するためにも、一戦一戦を大切に、目の前の試合に向かっていってもらいたいと思います。
広島アスリートマガジン編集部