【センバツ】ホームラン激減!31試合でサク越えはたったの2本、新基準バットの影響でピークの10分の1に
第96回選抜高校野球大会は、健大高崎(群馬)の優勝で幕が閉じた。新基準のバットが採用されて初めての大会。予想通りではあるが、大会通算本塁打数は、わずか3本だけ。ランニング本塁打をのぞく、柵越えはわずか2本だった。 【トーナメント表】センバツ大会 結果 金属バットが採用されて以降、最低だった1996年の5本を下回った。大会本塁打数が4本以下だったのは、木製バット使用最後の大会で、1本(ランニング本塁打)だけだった1974年以来、50年ぶり。新基準バット導入は、間違いなく本塁打数を激減させた。 フェンス直撃の打球もあり、従来のバットならば、フェンスを越えていたと思われる打球もあったが、大幅に本塁打数を増やすレベルではなかった。想定されてはいたが、長打を放つには、パワーだけでなく、芯に当てる確実性が求められる時代になったことが、今センバツの結果で証明されたのかもしれない。 大会最多本塁打は56回大会(1984年)の30本。ピークの1割になったということになる。 ここ10年の本塁打数と、主な話題を調べてみた。 2023年(95回)12本(沖縄尚学・仲田 侑仁の満塁弾) 2022年(94回)18本(大阪桐蔭11本=大会記録) 2021年(93回)9本(東海大菅生・千田 光一郎が大会通算800号) 2020年(92回)開催中止 2019年(91回)19本(東邦・石川 昂弥が3本) 2018年(90回)18本(智辯和歌山・黒川 史陽、林 晃汰など) 2017年(89回)23本(大阪桐蔭・藤原 恭大が決勝で2本) 2016年(88回)14本(高松商・植田 響介と植田 理久都が史上初の同一大会兄弟弾) 2015年(87回)17本(敦賀気比・松本 哲幣が大会初の2打席連続満塁弾) 2014年(86回)13本(智辯学園・岡本 和真が2本) 巨人の岡本、中日の石川、ロッテ藤原など、懐かしい名前が並ぶ。今では、プロ野球で活躍している選手らが、センバツの舞台で長打力を誇った。甲子園での本塁打が彼らに自信をつけさせたに違いない。 逆に考えれば、新基準のバットの時代では本塁打を放つことが「希有」なことにもなり、本塁打の価値がグンと上がる。今大会で柵越えアーチを放った豊川(愛知)のモイセエフ ニキータ外野手(3年)、神村学園(鹿児島)の正林 輝大外野手(3年)は「本物」だということだろう。 今後、甲子園ならずとも、全国で開催される公式戦で、本塁打を放つということも、かなりすごいことだと思わなければならない。