ジャナス・ヘンダーソン、日本の金融株はまだ割安-増配が魅力後押し
井上氏は、ポートフォリオで金融株へのシフトを進めたのは2年前からだと話し、その間に投資先からの配当金が増加した。三井住友FGの配当は4年間で190円から270円に増え、第一生命ホールディングスも同期間に62円から113円に増えた。
金融株のバリュエーションも依然として市場平均を下回り、割安な状況だ。TOPIXの株価純資産倍率(PBR)が1.46倍となっているのに対し、銀行株指数は0.82倍にとどまっている。
一方、自社株買いが全てのセクターにとって必ずしもプラスに働いているわけではないと井上氏は言う。ブルームバーグの調べでは、直近の決算で自社株買いを発表した企業の株価は、その後の5日間でTOPIXを1ポイント弱アウトパフォームしているが、過去4年間は平均で2ポイント以上アウトパフォームしていた。背景には、投資家が短期的な株主還元策に一喜一憂せず、長期的な資本効率の改善状況などを注視し始めたことがある。
魔法が解けた自社株買い、株価の押し上げ力低下-ROE影響を見極め
だが、井上氏は「金融セクターは全く違う。過去に統合が行われ、彼らは非常に良い利益を上げ、それを維持したため、資本余剰がある」と述べた。
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Aya Wagatsuma