韓国与党代表が辞意 大統領の弾劾訴追受け 合同捜査本部、尹氏に出頭要請
【ソウル時事】韓国保守系与党「国民の力」の韓東勲代表は16日、ソウル市内で記者会見し、党代表を辞任すると明らかにした。 3日に発令された「非常戒厳」を巡る混乱を受けて党の執行を担う最高委員の辞任が相次ぎ、「正常な任務遂行が不可能だ」と説明した。代表が辞任したことで、与党内の混乱は一層深まることになる。 一方、韓国メディアによると、韓国警察などの捜査本部は16日、内乱容疑で捜査中の尹錫悦大統領に出頭を要請すると明らかにした。18日午前、政府高官らの不正を扱う「高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)」への出頭を求める。検察も15日の出頭を求めたが、尹氏は応じなかった。 韓氏は14日に可決された尹氏の弾劾訴追案に賛成の意向を表明した。尹氏に近い議員らが反発し、辞任を求める声が高まっていた。韓氏は「支持者を思えば心苦しいが(弾劾に賛意を示したことを)悔いていない」と強調した。与党は同案に反対する方針だったが12人が賛成し、与党内で亀裂が生じている。 韓氏は検事出身で7月の党大会で代表に選出。次の大統領選の主要候補と目されていた。韓氏は「非常戒厳で苦痛を受けたすべての国民に心からおわびする。弾劾で心を痛める党支持者に大変申し訳ない」と謝罪した。 韓氏に近い一部与党議員は非常戒厳の解除を求める4日の国会決議にも賛成した。韓氏は「大統領が行った不正な戒厳を防ぎ、憲法と民主主義を守った。本当の保守の精神だ」と誇った。 世論調査機関「リアルメーター」の16日の発表によると、国民の力の支持率は前週比0.5ポイント減の25.7%。革新系最大野党「共に民主党」は同4.8ポイント増の52.4%だった。