「つねに未来が見えていた」ダンサー時代から一変、手探りでフィットネスの道へ【千原由理奈(後編)】
振り返るとダンサー時代を支えてきたのは、つねに描いていた中長期の目標だったと語る千原さん。ただ、今は少し違うのだと言う。 「今は正直、先のことに不安はありますよ。でも、積み上げた経験と支えてくれる人たちがいるので、大丈夫だって思えます。昔はダンスをできる環境もなくて、トレーニングも何もわからない中でしたけど、今は整った環境があって、応援してくれる人も自分を頼ってくれる人もいます。自分の挑戦は私ひとりのためのものじゃないんだなって、最近すごく思います」 現在は音楽に合わせて体を動かす、ブレイクダンスが起源のエクササイズ『HIIT THE BEAT』の講師を務めたり、2023年2月からは自身が代表取締役を務める『株式会社スキシアムプロダクション』を起業し、フィットネス関連事業などを行なったりしている。これらはすべて千原さんの経験を結集したものだ。 「私を必要としてくれる人がひとりでも多く増えたらいいなと思います。コンテストでも、感動だったり勇気だったり、見てくれた人に何か感じてもらえるようなステージを見せたいです。自分が誰かと会った時には何かを与えられるように。そんな人間になっていきたいですね」 ストイックなハートを支えるのは類まれな挑戦心。そして「やればできる」という自信だ。挑戦の歴史から得たものを多くの人に還元するべく、これからも千原さんはコンテストのステージに立つ。
千原由理奈(ちはら・ゆりな) 2021年まではオリックス・バファローズの球団公式ダンス&ヴォーカルユニットである『B’sGirls(ビーズガールズ)』に所属しダンサーとして活躍。現在はボディコンテスト団体『SUMMER STYLE AWARD(サマスタ/SSA)』の認定講師および、BEAUTY FITNESS MODEL部門のPRO選手として活躍中。2023年には年間の集大成である『JAPAN PRO GRAND PRIX』にてクラス2連覇を達成した。ブレイクダンスが起源のエクササイズ『HIIT THE BEAT』の講師も務めるなど、自身の経験を活かしてフィットネスの普及に尽力している。
取材・文・写真/森本雄大