山梨県、五合目までの新交通システム「(仮称)富士トラム」発表。レール不要のゴムタイヤ式
山梨県は11月18日、富士山五合目までの新交通システムとして、レール不要のゴムタイヤ式「(仮称)富士トラム」を発表した。 【画像】電車とバスの両方のメリットを備えたニューモビリティの富士トラム これまで、富士山五合目までを走る富士山有料道路、通称・富士スバルラインにレール(鉄軌道)を敷設し、次世代型路面電車(LRT)を運行させる「富士山登山鉄道構想」(2021年2月発表)を議論してきたが、大規模工事が必要、環境破壊が避けられない、建設費や災害復旧費のコスト面が過大といった指摘も挙げられており、構想を断念。新たに、低コストで環境に配慮した富士トラムを推進していくというもの。 富士トラムは、富士山の課題とされている富士北麓エリア6市町村から五合目へのアクセスを担うほか、富士山とリニア新駅「山梨県駅」が直結することで将来的に県内各地への二次交通網を構築。生活利便性の向上や観光客誘致の促進が期待されるとしている。リニア新駅は東京間を25分でつなぐことから、山梨県への企業誘致や移住定住者の流入も見込んでいる。 富士トラムでは、環境負荷を軽減するグリーン水素を動力源として採用。また、磁気マーカーや白線による誘導方式を導入することで軌道法が適用され、富士スバルラインへの一般車両の進入規制・来訪者コントロールが可能になることから電車とバスの両方のメリットを備える。道路に鉄軌道を敷設する大規模な工事が要らず、メンテナンスも軽微であるため、大幅にコストダウンできることもメリットとして挙げられる。
トラベル Watch,編集部:白江ちなみ
【関連記事】
- 知らないと門前払いもあり得る今年の富士登山。ゲートが設置された吉田口からの入山を詳しく解説します 軽装者の強行突破はスタッフが制止
- 山の日は大混雑も、富士山五合目の規制ゲートは効果あり。奥庭からの絶景や麓からのルートで新しい富士登山を知ろう
- 山梨県が富士山吉田口に設置した規制ゲート、県道を県有施設にする「発想の転換」で実現していた。7月1日からいよいよ稼働 長崎知事「登山鉄道構想はリニア中央新幹線と接続の可能性も」
- JR東海、2027年リニア開業を断念。丹羽社長「静岡工区トンネルに未だ着工できず6年4か月経過」 新たな開業時期も見通しなし
- 山梨県、弾丸登山対策で富士吉田登下参道に規制。1日の登山上限4000人、通行料2000円に